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Kaggle「Grandmaster」も在籍! AI技術者たちの専門性追求を後押しするGOの自己研鑽カルチャー

「Kaggle」。機械学習やデータサイエンスに携わるエンジニアたちのプラットフォームであり、世界中のデータサイエンティストが参加するデータ分析コンペティションが日々行われています。

タクシーアプリ『GO』や次世代AIドラレコサービス『DRIVE CHART』を支えるAI技術を開発する当社のAI技術開発部にも複数の“Kaggler”が在籍しており、なかにはKaggleの最上位ランクである「Grandmaster」を持つメンバーも。

他にも、2022年10月28〜29日にスペイン・バルセロナにて開催された「Kaggle Days Championship Final*」に参加したメンバーや「Kaggle NFL Health & Safety - Helmet Assignment」というコンペで金メダルを獲得したメンバーもいます。

*Kaggle Days Championship Final: 世界12都市のタイムゾーンで開催される全12回のオンラインコンペティションの上位者のみが招待されたイベント

なぜ彼らは積極的に自己研鑽に取り組むのか。その背景には当社の自己研鑽を支援する文化がありました。今回は“Kaggler”であるAI技術開発部の副部長・内田 祐介(うちだ ゆうすけ)、アルゴリズムグループの宇都 恭平(うと きょうへい)、データサイエンスグループの立松 郁也(たてまつ ふみや)に話を聞きました。


エンジニアたちが思う“働きやすさ”とは

ー本題に入る前にお三方の経歴、現在の仕事内容を教えてください。

開発本部 AI技術開発部 副部長の内田

内田:私は新卒で通信キャリアの研究所へ就職し、画像検索技術を専門とした研究を行っていました。その後、より事業に近いところで研究開発をしていくためにDeNAへ転職。そこから事業統合によりGO(旧:株式会社Mobility Technologies)へ移籍。現在はAI技術開発部の組織運営と次世代AIドラレコサービス『DRIVE CHART』のAI技術の統括を担当しています。

宇都:私は新卒でSIerの研究所に就職しました。そこから転職を決意した理由は、もともとAI技術やモビリティ領域に興味があったことと、より社会実装に近いところで働きたいと感じたためです。自分の関心ある領域でエンジニアリングに携わるためにGOへ入社しました。現在はタクシーアプリ『GO』の配車アルゴリズムや機械学習モデルの開発を担当しています。

立松:私も前職はメーカー系の研究所で、データ分析などを担当していました。ただ、メーカーという特性上、ハードウェアのスペシャリストはたくさんいましたが、データ周りのスペシャリストにアドバイスをもらう機会がなかなかなくて。

この領域でより専門性の高いメンバーがいる環境を求めていたときに、GOではKaggleで実績を出しているメンバーがたくさんいることを知り、転職を決めました。現在は『DRIVE CHART』から収集された動画データを活用して危険運転を察知するような機械学習モデルの開発やデータ分析を担当しています。

データサイエンスグループの立松(左) とアルゴリズムグループの宇都(右) 

ー前職と比較して働きやすさという点ではいかがでしょうか。

内田:働きやすい環境だと思いますよ。透明性が非常に高い組織ですし、改善すべき部分があればすぐに直ります。だから、何か違和感があっても「文句を言っても仕方ない」とはならない。

会長の川鍋も社長の中島も、個別で問題を拾ってコメントしてくれるので、働くモチベーションが下がることも少ないのではないでしょうか。

宇都:雰囲気はいいですね。GOはベンチャーなので組織体制等々まだまだ未整備な部分が多いと思っていたのですが、実際に入社してみるとそんなことはありませんでした。データ分析の基盤やクラウドの基盤なども十分に整ってると感じています。

立松:同感ですね。前職では自分でシステムの基盤等の設定を分析者が自らしないといけないことがあったのですが、GOにはシステム基盤の専門チームがいるので、僕らはデータ分析やAIモデルの開発に専念できる。加えてフルリモートなのもあって、とても働きやすいです。

もうひとつは、先ほど内田も話していましたが意思決定者との距離の近さも魅力ですね。前職だと距離が離れていて、久しぶりのミーティングで方向性が違って、最悪ちゃぶ台返しみたいなこともありました。今は週次のスパンで意思決定者とコミュニケーションをとる機会があるので、PDCAのサイクルを早く回せています。

エンジニアの自己研鑽を会社が後押し

ーでは、本題です。お三方はKaggleで実績を残されていますが、GOにはどのような自己研鑽の仕組みがあるのでしょうか。

内田:AI技術開発部では業務時間の10%を自己研鑽に充てられます。ずっと研究畑にいた立場としては、100%を自己研鑽に注げていたような部分もあるので、そこまでレア感はありませんが……(笑)。

立松:ありがたいのが、自己研鑽を目的として最大月20万円分のクラウド環境が利用できる制度があることです。高性能な計算機などを個人で負担するのはかなりヘビーなので、気軽にクラウドで試せるのはとても助かっています。

内田:計算資源のサポートはとても良いと思っています。一応予算上は全員が毎月20万使うようなことは想定していないので、同じく計算資源のサポートとして提供しているGPUデスクトップを活用する等もしています。

宇都:実は、僕はまだ予算を使っていないんですよね。これまではそれほど計算資源が必要なコンペに出場していなかったので。ただ、今参加しているコンペには計算資源が必要なので、まさにお借りしようとしているところで。使おうと思ったときにそこに充てられる予算があることは非常にありがたいですね。

2022年10月にはKaggleのイベントがスペインのバルセロナであって、1週間ほど僕が参加したんですが、出張扱いにしてくれて旅費やイベントに参加するための費用なども会社が負担してくれました。計算資源に限らず、技術イベントへの参加に対する支援があるのも助かっています。

立松:極端な話かもしれませんが、コンペへ出場するにあたって個人で10〜20万円のサーバを買う必要があるとハードルが上がりますからね。クラウドで支援してもらえることで最初の一歩は踏み出しやすくなっています。

ーKaggleをはじめ外で学んだことは業務に反映されているのでしょうか?

立松:非常に難しい質問ですね……基本的にコンペで学んだことや使った手法がすぐに業務に反映されることは少ない気がします。

ただ、たとえば「こういうことには絶対気をつけないといけない」といった暗黙知を自分で体感できるのは、コンペに参加してこそ。テクニックではなく、考え方を学ぶ場と捉えています。

宇都:同意ですね。僕自身も学んだ知見が、分析のプロセスやモデルの作成手順などで活かされるような気がしています。

また直接的に業務に役立つこともあると僕自身は感じています。2022年には車両の位置を推定するコンペがKaggleで開催されていて、GOの事業領域とも非常に近い内容だったので、社内でチームを組んで参加するということもありました。終了後にはコンペに参加したメンバー間で振り返りを実施し、各々の取り組みや得られた知見を共有することができました。

コンペが終了してから僕は、GPSから車両の正しい位置を推定するマップマッチングと呼ばれる技術の開発にも業務で取り組んでいるので、このコンペを通して得られたデータへの理解やモデリングの知見は直接的に役立っていると感じています。また普段業務では関わりの少ない他部署のメンバーとコンペを通して関わる機会を得ることができたのも良かったと思っています。

業務+自己研鑽で、守備範囲の広いエンジニアへ

ー宇都さんも立松さんもGOの環境を前向きに捉えていることが伝わってきます。内田さんは理想としている組織にどのくらい近づいていると感じますか?

内田:100%の理想が頭にあるわけではありませんが、気持ちとしては80%ぐらいですね。

先ほど「業務にどれだけ活かされるのか」という話題がありましたが、私の場合はコンピュータビジョンが専門なので、ダイレクトに役立つケースが多いです。モデル学習自体まだまだ職人芸的なところもあり、業務で同じプロダクトをずっと触っているだけでは鍛錬としては足りないことも多いので。

たとえば、私はKaggleであれば2〜3ヶ月に1回くらいの頻度でコンペに参加しているのですが、毎回業務とは違う体験ができる。参加そのものが鍛錬につながるわけです。幅広く経験を積んで知見を身につけ、自分の武器を常に磨いていけるようなメンバーを増やしていきたいです。

GOでは実に多種多様な技術を使っています。そしてそれは、単純な「技術力」というモノサシでは測れない部分です。たとえば研究開発してひたすら精度を高めていくような技術もあれば、ビジネス課題を解決へ導いていくような技術もありますからね。

後者の技術については日々の業務で鍛えられるので、前者を鍛えるための補完としてKaggleに参加することは有効な手段かもしれません。

宇都:いずれにしても技術力を高めておくことは重要だと思います。GOのすべてのサービスにAIが使われているわけではないのですが、使われているサービスの中には機械学習の精度が低いとサービスの質自体が低くなってしまうものもありますので。

立松:『DRIVE CHART』では、難しい課題には機械学習モデル等を使っていますが、必要ない部分では別の手法で解決しています。「この問題にはこれが適している」を見極める力も非常に高いと思います。

ーどういう方であればAI技術開発部のエンジニアとして活躍できそうですか?

宇都:僕が所属しているチームでは扱う技術の幅が広いので、いろんなことにチャレンジしたい方には合っていると思います。もちろん「何かひとつ強みがある方は活躍できない」という話ではなく、強みを持ったうえでいろんなことに挑戦したい方には適した環境だと言えるのではないでしょうか。

立松:自分も同感です。その他の話でいうと、モビリティの会社なので、ドラレコの動画やセンサーデータをウォッチする機会は非常に多い。そのあたりを楽しめる方と一緒に働きたいですね。

内田:当然具体的なところはチームによって異なります。傾向としてはいろんなことに興味を持てて自分の守備範囲を広げたい方、違う専門性を持ったメンバーを尊敬しながらコミュニケーションをとっていける方はもちろん、特定の技術を究めたいと考えている方にも活躍のチャンスはあります。私たちのやっていることに共感いただいた方に仲間になっていただけると嬉しいです。

内田 祐介(うちだ ゆうすけ)  開発本部 AI技術開発部 副部長
2007年新卒でKDDI研究所(現KDDI総合研究所)へ。10年ほど勤務したのち、株式会社ディー・エヌ・エーへ。事業統合後は開発本部 AI技術開発部 副部長として組織運営に携わると共に『DRIVE CHART』のAI技術統括も担当している。Kaggle Competitions Grandmaster(入賞2回)、SIGNATE Grandmaster(入賞3回)。国際学術会議にてBest Paper Awardを2度受賞、電子情報通信学会論文賞受賞(全て主著)。

宇都 恭平(うと きょうへい) 開発本部 AI技術開発部 アルゴリズムグループ
2020年4月、新卒で日立製作所の研究開発グループへ入社。水道管路のリスク評価や修理計画立案、グラフデータや地理空間データの分析などを担当したのち、2021年12月にGO株式会社(旧:株式会社Mobility Technologies)に入社。Kaggle Competitions Master。2022年10月にスペイン・バルセロナで開催されたKaggle Days Championship Finalに出場。

立松 郁也(たてまつ ふみや) 開発本部 AI技術開発部 データサイエンスグループ
新卒で空調メーカーにてデータ活用業務を担当したのち、2021年3月にGO株式会社(旧:株式会社Mobility Technologies)へ入社。DRIVE CHARTの脇見運転検出のロジック改善等を担当している。Kaggle Competitions Master。Kaggle Competitionsにて過去に2回金メダルを獲得し、うち1回は賞金圏に入賞実績あり。

※掲載内容は2023年5月時点の情報です。

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