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「GOを理想のテックカンパニーに」エンジニアたちが2年間発信し続けて見えたもの

タクシーアプリ『GO』をはじめとする各種サービス開発のウラ側が語られるオンライン技術イベント『GO TechTalk』。

2021年1月のスタート以来、毎月開催しており、おかげさまでIT勉強会支援プラットフォーム『connpass』のメンバー登録数は2000名超まで増加しました。

2年以上継続するなかで見えてきたものはなにか。どのような点で成果を感じるのか。そして今後の展望は。運営メンバーの鈴木達哉(すずき たつや)、日浅貴啓(ひあさ たかひろ)、渡部徹太郎(わたなべ てつたろう)に話を聞きました。


開発のウラ側を発信し続けて3年目突入

開発本部 ソフトウェア開発部 ユーザシステムグループ GM 日浅 貴啓

ー毎月開催してはやくも3年目。コンセプトは立ち上げ当初から今まで変わっていないのでしょうか。

日浅:そうですね。GOならではの開発のウラ側をアウトプットしています。

ー実際のところ、テーマは尽きないのでしょうか。

渡部:実は、テーマも2周目に突入しています。15回近く開催したタイミングで「一巡した感じがあるよね」と話して、以前登壇したメンバーに「アップデートがあったらまた登壇してほしい」と再度登壇してもらっています。2年も経てば技術トレンドも変わっていますし、登壇メンバーの経験値も増えているので。

日浅:視野が広がっている印象はありますよね。専門性の高いエンジニアが多いため、GO TechTalkの回を重ねるごとに、GO TechTalkのコンテンツが拡充されています。その結果、さまざまな分野のエンジニアに響くような内容になって、結果としてTechTalk全体がエンジニアのアンテナに引っかかりやすくなってきたのではないでしょうか。

開発本部 AI技術開発部 AI研究開発第二グループ 鈴木 達哉

鈴木:回数を重ねるなかで運営もスムーズになってきましたよね。イベント自体の質も高くなってきています。

渡部:若いメンバーが登壇する機会も増えました。先日開催した2年ぶりのiOSエンジニアのテーマでは若手メンバー2名が登壇。最新の技術について話しました。運営がスムーズになってきているからこそ、内容はフレッシュに。なるべく若いメンバーに出てもらいたいですね。

鈴木:まだ出ていないメンバーもたくさんいますからね。これからもまだまだ続けていきます。

ーちなみに、運営側としてスムーズになったと感じた出来事はありますか。

鈴木:なにかひとつのブレイクスルーというよりも、毎回の積み重ねですね。イベントが終わったら毎回登壇者と運営メンバーで振り返りを実施しています。

渡部:回数を重ねるごとに「登壇するときはVPNを切ろう」や「参加者の質問はこうやって拾おう」といった細かなノウハウが蓄積されていくので。2年間実施するなかで小さな改善が積み重なり質の向上に繋がっていったと思います。

若手エンジニアたちの登竜門に

次世代事業本部 データビジネス部 副部長 渡部 徹太郎

ーある意味、若手の“登竜門”的なイベントになっていますよね。

渡部:当初は違ったんですよね。序盤は開発本部長をはじめ役職者やマネージャークラスが登壇していたのですが、いつの頃からか若手の登竜門になりました。

ーきっかけはあったのでしょうか。

渡部:5〜6回目ぐらいの時ですかね。開始当初はほとんど内容のレビューができていなかったのですが、回数を経て徐々にメソッドが構築されて、資料やリハーサルにおいてしっかりとダメ出しするようになりました。

すると、登壇を終えたメンバーから「あのレビューがすごいよかったです」や「登壇したお陰でプレゼンがうまくなりました」といったフィードバックを得るように。いつの間にか社内のエンジニア間で評判になり、「TechTalkに出ると発表力が鍛えられるらしい」と広まり、成長意欲のある若手がチャレンジするようになりました。

ー結果論とはいえ、理想的な形ですね。

日浅:若手がどんどん登壇することで、新入社員もチャレンジしやすくなりますからね。直近開催したイベント登壇では、3名のうち、2名は入社半年のメンバーです。アウトプットの機会があることで思考の整理や言語化が進められるので、私たちマネージャーとしても積極的にチャレンジしてほしい。強制はできないなかで、登壇に対して前向きな雰囲気が生まれてきていることはとても喜ばしく思います。

ー他にも成果はありますか。

日浅:当初掲げていた「GOのプレゼンス向上」という目的の一端を担えている感覚はあります。カジュアル面談や一次面接などで「この回を観ました」と言ってくれる方もいますし、スカウトを送る際に「ぜひこの回を観てみてください」と興味喚起のきっかけにもなっている。イベントだけで完結するのではなく、採用シーンなどでも活用できています。

大事なのはやめないこと

ーここまで続けられた要因は何だと思いますか。

渡部:技術情報の発信は“イケてるテック企業なら、当然やらなければいけないこと”という感覚ですね。少なくとも私は、TechTalkのような取り組みのない会社に「入りたい」と思いませんから。

鈴木:そうですね。我々が「こういう会社なら働きたい」という理想の会社像を追求し続けていたら、徐々に納得いく形になってきたような気がします。

ー『connpass』のメンバー数もかなり増えてきています。

渡部:とはいえ、毎回同じ方が参加してくれるわけではありませんからね。iOSの回にはiOSエンジニアしか参加しないし、Androidの回にはAndroidエンジニアしか参加しません。あくまでも、毎回新しいことをやり続けた結果ですから、メンバー数を規模感の大きさと履き違えないようにしています。

ー実施にあたってルールのようなものは定めているのでしょうか。

渡部「月に1回はやる」以外は、特に決めていません。GOの技術要素に紐付けばテーマも自由ですし。目新しいテーマを企画するというよりも、定期的に開催されるリズムを大事にしています。SNSのタイムラインに常にGOの名前が流れてくるような状況をつくりたいですね。「あの会社、いつも技術アピールしているな」と。

鈴木:「いつでもなにか話せることがある」というコンディションを維持することが大事なのかもしれません。インプットがなければアウトプットもできませんから。

ー頓挫させないために工夫していることはありますか。

日浅ほとんどないのですが、唯一挙げるとしたら「数字を見ない」ということかもしれません。先ほど『connpass』の話題も出ましたが、別にメンバー数をKGIには置いていません。だから、質にフォーカスできている部分はあります。

鈴木:確かに「このテーマは人が集まらないからやめよう」みたいな議論は一度もありません。自分たちが面白がることの方が大事です。そのテーマでより多くの人に楽しんでもらうための努力はしていますけどね。

渡部:内容のクオリティを極限まで上げることには力を注ぎますが、テーマにダメ出ししたことは一度もないはずです。いくらニッチで参加数が少なくても「そりゃそうだよね」と。

日浅:逆に数字がゴールだったら、こんなに手間のかかるアプローチはしていません(笑)。

いずれはオフラインでのイベント開催を

ー運営側にとっての成果はありましたか?

渡部:細かい学びはたくさんありますが、何よりも継続していることの意義を感じています。これだけ地道に続けているイベントは多くないかもしれません。

日浅:あとは僕らが聞いていても面白いんですよね。

渡部:わかります。僕個人としては社内の若手とつながるチャンスとして活用させてもらっています。

ー社内からの反響はいかがでしょうか。

渡部:盛り上がった回は全社員の前でも取り上げてもらっていますね。

鈴木:従業員数の規模的に、社内でもエンジニア1人ひとりの活躍ぶりはなかなか知られにくい。だから、TechTalkの参加者数が多いときは「こんなに盛り上がりましたよ」とアピールして、技術力の高いエンジニアが活躍していることを社内発信しています。副次的な効果ではありますが、社内コミュニケーションのきっかけになっていることは嬉しいです。

渡部:役員陣から「すごいじゃん」と言われると、純粋に嬉しいですし。

鈴木:エンジニアのなかには技術力があってもアピールに積極的ではないタイプも少なからず存在すると思うのですが、GOはTechTalkをきっかけに「すごいことはどんどん発信していこう」という文化ができつつあるのではないでしょうか。

日浅:登壇前は「こんなことを話しても誰も興味がないんじゃないか」と一歩引いてしまっているエンジニアもいました。でも、実際に登壇して参加者からコメントや質問が来ると「やってよかった」と感じるようです。

ー最後に今後の展望について聞かせてください。

日浅:僕自身はないですね(笑)

鈴木:そうですね。このまま着実に積み重ねていきたい。

渡部:だから、やめるのは嫌ですね。続けていきたいです。まだ登壇していないメンバーがたくさんいるので、全員に一度は出てもらいたい。でも、ネタが尽きる日が来るのかな。

日浅:いやいや。少なくとも僕のグループは、半年のうちに2週間を自己研鑽に充てられる「Engineer Challenge Week」という制度を活用しているので、インプットはできているはず。ですから、ネタは尽きないと思いますよ。

鈴木:AI系もいけると思います。

渡部:もしかしたら、運営メンバーもローテーションしてみてもいいかもしれませんね。

日浅:確かに。ずっと3人でやっていますからね。ちょっと属人化している側面もあるかもしれない。

鈴木:今後は「オフラインでやりたい」という意見も出てくるかもしれませんね。

渡部:確かに。いいですね。オフラインで開催するなら運営メンバーは増やしたいですね。

日浅:ハードウェア系はイベントでも取り上げていませんし。オフラインと相性も良さそうです。参加者にはタブレットにも触ってもらって。

渡部:いいですね。ぜひ検討していきましょう。

鈴木達哉(すずき たつや) 
開発本部 AI技術開発部 AI研究開発第二グループ

2020年4月にDeNAから出向。現在はプロダクトから収集されるデータを活用した次世代のデータ活用基盤を開発する「道路情報の自動差分抽出プロジェクト」において、ドラレコ映像を活用して道路標識を見つけるAIを開発している。

日浅貴啓(ひあさ たかひろ)
開発本部 ソフトウェア開発部 ユーザシステムグループ グループマネージャー

2012年4月、新卒で大手インターネットサービス企業へ入社。オークションサービス開発やフリマサービス立ち上げなどを担当する。2018年9月にGOの前身となるJapanTaxiへ入社。現在はタクシーアプリ『GO』のアプリ開発とユーザーシステムグループのマネジメントを手がけている。

渡部徹太郎(わたなべ てつたろう)
次世代事業本部 データビジネス部 副部長

東京工業大学在学中にデータベースと情報検索を研究。野村総合研究所、リクルートテクノロジーズを経て、2019年5月にGOの前身となるJapanTaxiへ。『実践的基盤への処方箋〜ビジネス価値創出のためのデータ・システム・ヒトのノウハウ』『ビッグデータ分析のシステムと開発がしっかりわかる教科書』『RDB技術者のためのNoSQLガイド』著者。

※掲載内容は2023年5月時点の情報です。

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