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「マネージャーの肩書きに固執はしない」タクシーアプリ『GO』と描く、エンジニアのキャリア

エンジニアのキャリアを語るうえで欠かせない「エンジニアリングマネージャー(EM)」というポジション。

一般的には「スペシャリストか、マネジメントか」の二者択一を迫られることが多いですが、タクシーアプリ『GO』を展開するGO株式会社(以下GO)ではマネジメントしつつも手を動かせる“プレイングマネージャー”という役割が求められています。

今回は2021年12月にマネージャーに就任し、プレイングマネージャーとして試行錯誤しながらもキャリアを築いてきた冨永皓司(とみなが こうじ)と古舘正大(ふるだて まさひろ)が登場。GOで求められるマネージャーのあり方を聞きました。


プレイングマネージャーであることへの覚悟

ソフトウェア開発部 バックエンドグループ GM 冨永 皓司

ーまず、お二人の仕事内容から教えてください。

冨永:ソフトウェア開発部 バックエンドグループというタクシーアプリ『GO』のバックエンド開発全般を担当するグループのグループマネージャー(以下、GM)です。

古舘:私はバックオフィス基盤第2グループというタクシーアプリ『GO』の支払請求基盤の開発を担当するグループのGMです。GMと言っても、期待されているのはマネジメントに専念するのではなく、自身も手を動かすプレイングマネージャースタイル。シニア採用においても「プレイングマネージャーができる」は採用基準のひとつです。

冨永:取締役開発本部長の恵良(えら)さんですら、手を動かす機会があるほどですから。

ーキャリアとしてはかなりチャレンジングな印象を受けます。

冨永:巷でも“プレイングマネージャー不可能論”はありますからね(笑)。だから、僕はあえて「なるべくプレイヤーにはなりたくない」と公言しています。プレイヤーとマネージャーの両輪で走り出すとどちらも中途半端になってしまうので。

まずはマネージャーに専念し、マネジメントスキルを身につけることが先決。そのうえでプレイングマネージャーとしてのスタイルを確立したいと考えています。

古舘:単純に、メンバーが100%開発に専念できるのに対し、自分は開発に充てられる時間が圧倒的に少ないですからね。GMはミーティングが多いので、まとまった開発時間も捻出しづらい。

メンバーだったときはゆるやかにアクセルを踏んでいけばよかったものの、GMになるとミーティングの合間の30分といった限られた時間で一気にトップスピードに上げなければいけません。なかなか慣れませんね。

ーストレッチがかかる環境であることは想定できたにも関わらず、チャレンジしたのはなぜですか。

冨永:僕の場合は、単純に今まで経験したことがないことにチャレンジしたかったからです。もともと「プログラミング以外は絶対にやらない」といったこだわりはありませんでしたし。だから、打診のタイミングで「向いていなかったら辞めます」という話はしていました。

古舘:私は、自分ひとりだけで打診されていたら、迷ったかもしれません。同じタイミングで入社当初から一緒に働いていた冨永さんともう一名がチャレンジすることになったので、「彼らと一緒なら」と前向きに取り組みました。

周りにはサポートしてくれる頼りになるエンジニアばかり

ソフトウェア開発部 バックオフィス基盤第2グループ GM 古舘正大

ー実際やってみてどうですか。

冨永:意外と楽しんでいますよ(笑)。

GMになったことで視座が高くなったような気がします。GOは非常にオープンな会社なので、資料をたくさん公開してくれるのですが、GMとして見るか、メンバーとして見るかで印象が全く違うんですよね。メンバーとして見ていたときよりも数字への関心が強くなりましたし、ビジョンに対するコミットメントも強くなったように思います。

先ほど「GMが向いていなかったら(GMを)辞めます」という話をしましたが、実際はGMになっていなかったらGOを辞めていたかもしれません(笑)。僕のキャリアにとって、大きな転機になりました。

古舘:やり甲斐を感じる機会は圧倒的に増えました。メンバーだった頃はどうしても自分本位になりがちだったのですが、GMになって、メンバーのキャリアアップに心から嬉しさを感じるようになりました。

冨永:業務として増えたのは人事評価です。メンバーと設定した目標に対して評価をしていくのですが、「歴代のGMって、どうだったっけ?」と思い出しながら、今までとは違う頭の使い方をしています。ただ、ある程度の裁量は委ねられているので、メンバー自身が判断できるような評価基準を設定して、彼らの成長を後押ししています。

ーGMになったことでメンバーとのコミュニケーションで苦労することはありましたか。

冨永:ないですね。みんな割と“大人”なので。こちらのフィードバックに対して仮に反論するにしても、感情的になることなくコミュニケーションをとってくれるので、こちらも「なるほど」と受け止められる気がします。

僕自身も「至らない点があったらどんどん提案してほしい」という話はしていまして。中途入社メンバーの中にはマネジメント経験者もいるので、「前職でタスク管理やマネジメントはどうやっていたの?」とヒアリングしています。

古舘:そうですね。コミュニケーションで苦労することはないけれど、GMとしてまだまだ力不足、経験不足を痛感する場面はあるので。1on1で困っていることを聞いたときなどは、ちゃんと解決へと導けるように先輩のやり方を真似していきたいと思います。

ーメンバーはどういう人たちが多いですか。

古舘:自走できるメンバーが多い印象です。エンジニアとしての知識やスキルも備わっていて、グループ内で勉強会を開催してくれるメンバーもいますし、私から手取り足取りサポートする必要は全くありません。

冨永:GMになれる力量を持ち合わせている人は多いですよ。「GMをやりたい」という人が少ないだけで。逆に自分をサポートしてくれるメンバーは揃っています。

古舘:本当にその通りですね。私自身も自分のメンバーに「すごい」と感じる場面は多々あります。「マネジメントしている」というより、「マネジメントさせてもらっている」というか(笑)。尊敬できるところは多いです。

会社のミッションを、チームで体現していくために

ー今後、自分のチームをどうしていきたいですか。

冨永:自分のチームをどうこうというよりも、「チームとしてGOのミッションやカルチャーを体現したい」という気持ちが強いですね。

今のチームはたまたま僕がGMを任されていますが、未来永劫に続く組織はありませんからね。GMを任されるだけの力量のメンバーもたくさんいるので、「この人がGMになった方が会社が伸びる」というときはどんどん任せていきたい。GMというポジションに執着するつもりはありません。会社の成長が最優先事項です。

古舘:だいたい同じですね。ただ、今期のOKRで開発スピードの向上を目指すプロジェクトを掲げているので、メンバーにとってやりづらさを感じている部分は改善していきたいですね。メンバーが開発に専念しやすい環境を整えて、スピードを向上させて、会社に貢献できる流れを生み出していきたいと思います。

ーご自身の成長という点ではいかがでしょうか。

冨永:正直な話をすると、GMを任されてまもなくはプライベートを犠牲にしている部分はありました。メンバーにタスクを渡すことに慣れていないにも関わらず、プレイヤーとしてのタスクも立て込んでいて……納期目前に「あ、これメンバーに渡すの忘れていた!」と結局自分で手を動かすことになってしまったので、結構しんどかったです。

でも、メンバーのレベルもだんだん上がってきて、ここ1年前くらいから組織も大きくなり僕自身も仕事を振ることを覚えてきたので、少しは落ち着いてきました。一度限界を知ったことで、ブレイクスルーしたような気がします(笑)。

古舘:確かに初期の頃は、結構忙しかったです。大きい機能のリリース前などは遅くまで残業したこともありましたし……。

ただ、私自身は普段はかなり自由に働かせてもらっています。リモートワークですし、一旦18時半ごろに区切りをつけて、子どもの世話をして、寝かしつけを終えてから、仕事に戻るような形なので。もちろん仕事としての大変さはありますが、働く時間を選べるのでプライベートを犠牲にするようなことはもうありません。

冨永:そうそう。だから、GOは残業時間もそこまで多くないんですよね。だいたい月20時間ぐらいで、リリース前は30時間になる時があるぐらいなので。ある程度精神的なゆとりを持って働けているのではないでしょうか。

エンジニアだけじゃない。会社全体がデータドリブン

ーGOのGMに興味を持った方にメッセージを贈るとしたら?

古舘:「マネジメントしながら手を動かせる」というのは魅力だと思います。マネジメントへの専念を求められるところも多いようなので、「マネジメントもしたいけど、プレイヤーとしても頑張りたい」という気持ちのある方にはピッタリです。

冨永:GOにはタクシーアプリ『GO』以外にもさまざまなプロダクトや機能がありますからね。次世代ドラレコサービス『DRIVE CHART』、脱炭素サービス『GX』、AIによる『お客様探索ナビ』などをパッケージングして展開していけるインパクトを味わえるのは、GOならではです。「タクシーだけではない」ことが見えてくると、どんどん楽しくなってくると思います。

古舘:1日の配車量も多くなって、扱うデータ量も増えてきています。膨大なデータの活用方法を考えることは、GMとしても腕が鳴るポイントではないでしょうか。

ーエンジニアリング組織をマネジメントするうえでGOの魅力は?

古舘:エンジニア陣のレベルの高さは先ほどもお伝えしましたが、加えてエンジニア以外も強いですよ。

たとえば営業部門のメンバーも数字に強く、エンジニアリングのロジックを理解してくれています。自分のノルマを達成するためだけの発言や行動は一切なく、裏側には明らかな狙いや想いがある。まだまだアナログな部分のあるタクシー業界において、粘り強く事業者様と交渉する姿には尊敬すら覚えます。

彼らが自信を持って「こんなことができますよ」と提案できるように、エンジニアとしてもいいものをつくり続けていきたいですね。

冨永:「とりあえずやってみよう」がないこともいいかもしれません。サービスを立ち上げる前に「なぜこれをやるのか」「勝算はあるのか」と検討に検討を重ねているので、うまくいかなかったから短期間で撤退するようなこともありません。本気で打ち込める環境です。

古舘:あとはリモートワークのレベルの高さですね。出社を最小限にしたい方には非常にいい会社です。

冨永:そもそもがコロナ禍に事業統合して生まれた会社ですからね(笑)。生まれた時からリモートワーク環境だったので、不定期で「ワークショップを開催するのでオフィスに出社してください」といったアナウンスはありますが、「週1で出社しないといけない」みたいなことはありません。出社頻度やタイミングは状況に合わせて各部門で決めています。手前味噌ですが、やり甲斐と働きやすさが共存している会社といっても過言ではないかもしれません。

冨永 皓司(とみなが こうじ) 
開発本部 ソフトウェア開発部 バックエンドグループ GM

自動車の組込エンジニアを経て、Web系フルスタックエンジニアへ転身。2018年11月株式会社ディー・エヌ・エー入社。近年はバックエンド周りを多く担当。SNS系やマッチングサーバー、ライブストリーミングサービスなど開発経験は多岐にわたる。

古舘 正大(ふるだて まさひろ)
開発本部 ソフトウェア開発部 バックオフィス基盤第2グループ GM

新卒で SIerへ入社。C言語でLinuxカーネルのカスタム、Android 2.2のアプリ開発等を担当する。その後、事業会社、スタートアップを経て、2019年6月株式会社ディー・エヌ・エー入社。『GO』の前身となる『MOV』のタクシーモニターや集計・計上システム開発(Go / App Engine)などを担当し、現在に至る。

※掲載内容は2023年5月時点の情報です。

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