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立ち上げるのは“政策レベル”の新事業。国と共に社会課題の解決を目指す

タクシーアプリ『GO』から高級ワンボックス車を指定注文できる『GO PREMIUM』、2027年までにCO2排出量3万トン/年の削減を目指す「タクシー産業GXプロジェクト」、2023年3月からは時給制のアプリ専用パートタイム乗務員『GO Crew』の稼働など、新たな取組みを次々と発表しているGO株式会社。

そして、その事業開発に携わっているのが、GOの「ビジネス企画」です。今回は、ビジネス企画の山本に、パブリックアフェアーズが求められる理由や『GO Crew』立ち上げの経緯、GOだから味わえるビジネス企画の手応えについて聞きました。


パブリックアフェアーズの強化が、GOの成長につながる

——最初に「ビジネス企画」が担う役割について教えてください。

「ビジネス企画」という職種名ではありますが、いわゆる一般企業の「事業開発」や「事業企画」とは異なっていて、「政策企画」「パブリックアフェアーズ」と呼ばれる仕事をイメージしていただけると良いと思います。

担う役割としては、モビリティ事業およびエネルギー関連事業の立ち上げにおいて、必要に応じて公共に働きかけ、合意形成を図ることです。具体的には事業戦略を立案する中で、政府・自治体との間に立ち、双方の利害関係を考えながらサービスの実行に必要な制度の検討に加え、補助金や政府調達に関連する業務を進めています。

——多くの企業には存在しない仕事だと思うのですが、なぜGOには「パブリックアフェアーズ」が必要なのでしょうか?

「社会に与える影響の大きさ」「扱う事業領域」の観点から、国や自治体と議論しながら事業を立ち上げていく必要があります。

「社会に与える影響範囲」からお話すると、GOは設立から急成長を遂げており、タクシーアプリ『GO』のダウンロード数は1500万を達成。サービス展開エリアもこの1年で10県以上拡大し、現在は44都道府県でご利用いただけるようになりました。もはや“社会インフラ”と呼べる規模になっており、同時に交通に対する社会課題を「継続的」に解決していく使命があると考えています。

——「継続的」に?

そうです。社会課題を解決していくには、一時的な対応では不十分で継続的に行わなければなりません。だからこそ社会課題の解決が会社の成長につながっていく必要があるし、それを実現するためにパブリックの考え方とビジネスの考え方の両方に精通したチームが必要になります。我々のチームはそういうチームを目指しています。

また、「扱う事業領域」から見ても、その必要性が問われています。タクシーに限らずですが、電車にしてもバスにしても、交通サービスには全国民に対して公平に、かつ、安全に届ける義務があるためその“公平さ”や“安全さ”を守るために多くの規制が存在しています。ですから、何か新しい事業をやろうとすると、いろいろな壁にぶつかってしまう…そこを国や自治体と一緒に協力しながら、社会にとって良い方向に進むよう議論していく必要があるのです。

——なるほど。パブリックアフェアーズの強化が、GOの成長につながっていると考えて良いのでしょうか。

おっしゃる通りです。GOはこれまでにも、政府・自治体と協力していくことで事業のグロースを実現してきた体験をいくつも持っています。経営陣としても「パブリックアフェアーズ」の強化に価値を感じているので、現場の私たちも同じ方向を見て動けるやりやすさがありますね。

業界が抱える乗務員不足。「時給制パートタイマー」で解消を目指す

——「パブリックアフェアーズの強化による事業成長」について、もう少し詳しく教えてください。

2023年3月からスタートした短時間勤務が可能なパートタイム乗務員『GO Crew』という新しい働き方は、ビジネス企画が深く携わった案件になります。

フルタイム正社員ではなく、パートタイム乗務員の採用に取り組むことになった背景には、タクシー業界全体が抱える人材不足にあります。乗務員の高齢化、コロナ禍などを背景に乗務員は減る一方。私たちGOが中心となって考えていくべき課題だと捉えていました。その中で、出てきた解決策が「短時間勤務が可能なパートタイム」という新たな雇用形態での採用です。実際に運行管理を行うタクシー会社と協議の上、新たなチャレンジをすることにしました。

——具体的にはどのような関わり方をされたのでしょうか。

人を集めるためには未経験からの応募も広く集めたいと考えていましたので、そのためには「経験がなくても安心してスタートできる仕組み」が必要だと認識していました。そこで辿り着いたのが、アプリ注文のみを受け、流し営業は行わないという営業形態です。

一方で、上記の仕組みを実現するには、現状のタクシー運行とは異なるルール設定が求められることが分かっていたので、そこから法令に則った形でビジネスを立ち上げるべく、国土交通省との議論を重ねていきました。何度も話し合いを行い、現在の『GO Crew』の形を作り上げていった流れになります。

——行政との間に立って、ビジネスを立ち上げていく仕事なんですね。取り組みの効果はいかがでしたか。

アプリ専用という新たな仕組みにすることで、短時間勤務や時給制といった、未経験者でも挑戦しやすい働き方を提案できるようになりました。これにより裾野を広げて採用活動ができるようになり、これまでに50名の採用に成功しています。年齢は20代~70代とさまざま。子どもが大きくなり自分の時間ができたという主婦の方、フリーランスとして活躍するかたわら副業として働きたいという自営業の方など、これまで出会えなかった人材との出会いが生まれています。

国レベルの施策を、自分たちの手で動かす面白さ

——GOの「ビジネス企画」が手がける規模感は、国の施策レベルなんですね。

おっしゃる通りで、GOの「ビジネス企画」に求められるのは、国が目指す“社会課題の解決”を、GOのビジネスとして創り出していくことなんです。

だからこそ、国や自治体の役割は地域住民や日本国民が抱える課題を解決していくこと、という前提ぬきには、関係機関の協力は得られません。GOにとって価値あるビジネスだったとしても、それが社会課題の解決につながっていなければ難しい。逆もしかりで、国からGOに対して要望があったとしても、コストばかりかかってしまうのであれば、会社として受けるべきではない。“ビジネス”として進めるのかどうかの見極めは、非常に重要なところだと思います。

——国や自治体というものへの理解があることも大事なポイントのように感じました。

そうですね。民間企業とは全く違う特殊な組織になりますから、どういう「考え方」をしていて、どういう「動き方」をしているのかを把握できていることは、重要です。実際にGOの「ビジネス企画」の採用では、各省庁、自治体、独立行政法人、業界団体等のパブリック分野における業務経験を必須にしています。

それなのに、採用面接で省庁での業務経験を持った方とお話をする場面もあるのですが、多くの方は「私の経験は、何に役に立ちますか?」と言うんです。

——そうなんですか…意外です。

民間企業での経験がないことに不安を感じているのだと思いますが、そこで私がお伝えしているのは、「あなたが、省庁や自治体で経験してきたこと全てが活かせる」という話です。

たとえば予算の決まり方一つにしても、自分自身ではごく当たり前の知識のように感じているかもしれないけれど、民間企業しか経験していない人たちからすれば、全く知らない話。省庁や自治体がどういう組織で、どういう目的で、どうやって動いているのかを知っていることは、ものすごくバリューがある話なんです。

彼らとコミュニケーションを取りながら、ビジネスを立ち上げていくのですから、最大のビジネスパートナーとなる国や自治体を理解しているのは大きい。そして、GOはその経験に価値を感じている会社なんだとお話をしていますね。

——山本さん自身も経産省から民間企業に入られていますが、改めてGOだから経験できるものは何だと思いますか?

一番は「国レベルの施策を、自分の手で動かせること」だと思います。経産省では確かに政策を決める立場ではあるけれど、やっぱり実態が遠かった。この政策がどう影響して、誰が喜ぶのか…ある程度ヒアリングはするものの、分からないまま走る場面が多かったんですよ。

けれど、GOのビジネス企画なら、国と一緒になって制度を考え、ビジネスを立ち上げ、その施策をやったことで誰がどのように喜んでくれているのかがリアルに分かるわけです。地域のおじいちゃんやおばあちゃんが抱えていた“困った”が解決されて、笑顔になった姿が見えてくる。そして、この社会課題の解決が、会社の成長にもそのまま繋がっている実感があるんです。この手応えがビビッドに得られることが何よりも嬉しいですし、GOならではのやりがいなのだと思っていますね。

私たちは、この先も、ビジネス企画とパブリック領域の検討を同時に行いながら、国にとっても、GOにとっても価値ある事業の立ち上げにチャレンジしていきます。同じような思いを持ち、共に社会課題の解決に向き合ってくださる方にお会いできたら嬉しいですね。

山本 彰祐(やまもと あきひろ)ビジネス企画部 部長
京都大学卒業後、経済産業省に入省。地域産業振興策、再生ファンド支援政策、会社法制定などに従事。その後、SIerでの経営企画業務や子会社経営や独立を経て2015年、株式会社ディー・エヌ・エー オートモーティブ事業部に参画。事業統合後は政策企画やビジネス企画として、脱炭素化を目指す「タクシー産業GXプロジェクト」『GO PREMIUM』『GO Crew』の立ち上げなどに従事。

※掲載内容は2023年8月時点の情報です。

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