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GOの人材流動化施策「キャリアエクスプロアー制度」とは?

こんにちは!人事の野口です。
GO株式会社では、キャリア形成に関する取組みとして、2023年1月から『キャリアエクスプロアー制度』をスタートしました。
本記事では、なぜこのような制度を始めることになったのか、その背景や目的、制度開始後の実績や組織に起こった変化について、ご紹介したいと思います。


自分のキャリアは自分の手で切り拓く。そのために必要なきっかけを提供することを大事にした

制度を検討し始めた当時、一定期間同じ部署で同じ業務に従事していたり、同じプロジェクトに関わり続けているメンバーは、マンネリ感や閉塞感を感じているのではないか、という声がありました。一方、全社視点で見ると、日々新たな事業やプロジェクトもたくさん立ち上がっていて変化に富んでいるのに、会社の成長スピードと個人の熱量にギャップがでてしまうのはもったいない。うまくマッチングできればいいのではないか。という背景から、会社として、より広い視点を持って柔軟なアサインメントができる仕組みをつくり、GOのなかで様々な新しい成長機会を提供していきたいと考え、人事内で人材流動化について検討を開始しました。

人事として「自分のキャリアは、組織と自分のために自分自身が創っていくもの」という考えを大切にしたい一方で、組織の中で個々人が独自にキャリア開拓を進めていくのはハードルが高いのも事実であり、「どうしたら個々人が自分自身で成長機会を獲得し、多様なキャリアを選択していくための土台づくりを進めていけるか」という点を軸にして議論を重ねていきました。

そうしてできたのが『キャリアエクスプロアー制度(通称キャリエク)』でした。

キャリアをエクスプロアー(開拓、探索)するので、異動のための制度思われがちですが、異動を着地点とせず、あくまで能動的にキャリアを考える風土作りを主目的とし、制度を検討する際に以下の3つを重視しました。

1.日頃の業務の中で、本人のwillやキャリアがきちんと考慮される仕組みづくり
2.キャリアについて、考えたり相談したりできる場の提供
3.社内での機会に対して、自ら主体的にチャレンジできる仕組み

これらに対応する形で作ったものが以下3つ。これらを総合して『キャリアエクスプロアー制度』と呼んでいます。

1.目標設定シートのwill項目の追加とキャリアに関するコミュニケーションの活性化
2.キャリア相談窓口の開設
3.キャリア開拓と会社としての異動検討

1.評価シートへのwill項目の追加とキャリアに関するコミュニケーションの活性化

GOでは半期毎に評価を実施していますが、その際に使う評価シートにwill項目を追加しました。will項目を活用して上長とコミュニケーションをとることで、willを踏まえたミッションアサインの可能性を探ることができるようになります。

目標設定シートのwill項目

2.キャリア相談窓口の開設

キャリアについて迷った時や自身のキャリアを開拓するにあたって、自ら社内ネットワークを作っていくことに対してハードルが高いと感じる場合もあると思います。そういう時に気軽に相談できる窓口として「キャリア相談窓口」を設置しました。

・相談時の面談はキャリエク担当人事が実施
・部門担当人事(=HRBP)に相談することも可能
・情報の取り扱いは人事のみとし、本人の同意なしに共有しない
・相談先の指定が難しいケースや人事以外のメンバーと会話をしてみたい方の相談先アレンジもお手伝い可能

自分のなかで悩みを抱え込まず、まずは気軽に相談してもらえるように情報の取り扱いに関して明文化したり、相談先のアレンジもできるようにしました。

3.キャリア開拓と会社としての異動検討

自らキャリアを開拓していくということで、社内で横や斜めの繋がりを作っていくことも大事にしています。自発的に横や斜めの繋がりを作り、その部署の方とカジュアルに会話をするなかで、「チャレンジしてみたい!」という業務が見つかった際には、該当部署の組織長や人事から、異動を具体的に起案することもできます。このように、異動ありきではなく、まずは壁打ちだけ!の利用も歓迎している制度です。

相談しながら進められることで、本人と組織の双方にとって最適な形を探すことができる

今年の1月から制度を開始し、これまでに総計20件の相談がありました。ここから会話が始まり、異動が成立したケースもあれば、やっぱり部署に留まることになったケースなど様々ですが、キャリエクが一人一人のキャリアを考えるきっかけになっていることは間違いなさそうです。
実際に制度を利用したメンバーの声を一部ご紹介します。

■ キャリエクを使って異動を経験したメンバー

①キャリエクを利用して異動した勤続6年目社員

今やっている仕事がそろそろおなかいっぱいになってきたところだったので、別の会社に転職というチャレンジをするか、キャリエクを使って社内で全く新しい仕事にチャレンジするか悩んでいました。仕事柄各部署の募集状況は知っていたため、自分にできる仕事はないだろうなと思いつつダメ元で上司との1on1のときに相談したら、その後すぐに動いてくれてチャレンジできそうな仕事を教えてくれました。そこからはあっという間に異動が実現しました。
未経験分野の新しい仕事を覚えるのはかなり大変でした(いまも奮闘中)。だからこそ会社を変えずに異動を実現できたことは自分のライフスタイルにとって思っていた以上にプラスで、異動後すぐに新しい仕事に集中できたことが印象的でした。社内に知ってる人がたくさんいる安心感、使い慣れている業務ツールはそのまま、子育てしながらのライフスタイルを変えなくて良い、という点はキャリエクだからこそだったと思います。

②キャリエクを利用して異動した勤続4年目社員

もともとキャリエク制度開始1年前くらいから部署異動したい気持ちがありましたが、当時は様々な背景から部署異動の実現は難しい状況でした。
その後、キャリエク制度が導入され、公表と同時に相談を申し込みました。

私が部署異動したいと希望した経緯は、以下のとおりです。
・入社当時は所属部門の立ち上げに携わり混沌とした状況を整えていくことに取り組んでいましたが、様々な型化や整備が進み状況が落ち着いてきて安定期に入ったと感じ始めたこと
・また新たな立ち上げに関わりたいという思いが芽生えてきたこと
・GOの社風が好きで魅力的だったので、転職ではなく部署異動したかった

キャリエクは人事異動と違って、YesかNoの二択ではなく相談ベースで進められる点が大変ありがたく感じます。また、自部署と希望する部署の上司と意見調整ができることも魅力です。この過程によって人物像や適応性などが合致するかをみていくことができると感じており、これは本人にとっても異動先にとっても大変好ましいことだなと思います。

■ キャリア相談窓口に相談したメンバー

・社員Aさん
キャリアを形成する上で、家庭環境やワークライフバランスも考慮した働き方や今後のキャリアの積み方を壁打ちさせてもらって整理することができました。

・社員Bさん
自分の業務のレベルを上げたいが、部内に知見がある人が少なかったため、他部門の知見者と1on1を接続してもらい多角的に意見をもらうことでブラッシュアップすることができました。

■ will欄を用いたコミュニケーションに関する意見

・本人が将来について考えてくれる、話してくれるところが良いです(ビジネス職・部長)
・人によって全然目指している姿や視座が異なるなというのがわかって面白いのと、今後のキャリア形成を一緒に考えていくに当たって参考になるなと思っています(PdM職・マネージャー)


・中長期のキャリアについて考える事で、自分がどこに向かっているかを見直し、目標に向かって今やっている事がどうタメになるのかを確認出来ました。また、足りない物、これから取り組まないといけない事のリストアップが出来てよかったです。(開発職・メンバー)
・個人のケースだけを考えると、以前から中長期のキャリアについては1on1などで聞いていただいていたので今回明示的に書くことによって大きく変わったとは感じませんでした。ただ、制度としては中長期でどうなりたいかを擦り合わせた上で業務やスキル獲得の話をしやすくなるので良いと思いました。一点思ったこととしては、現状1年以上先というざっくりした目安で書くので人によって粒度がかなり変わりそうという印象はあります。(PdM職・メンバー)

『キャリアセッション』を通して、経験や考えを整理しキャリアを考えるきっかけを

また、2023年9月からはより一層能動的にキャリアを考える風土や雰囲気を作りたい、という背景から、キャリアセッションを試験的に企画・実施し始めました。
キャリアを棚卸ししたり、汎用的なフレームワークを取り入れて自分なりの考え方を整理する&磨いていくことが目的になります。セッションを通じて、他部門メンバーとの交流や人脈形成も促します。また、マネージャー同士であれば、悩み解消やメンバーとの向き合いにも活かしてもらっています。

参加したメンバーからは、こんな感想をいただいています。

・目の前の業務に集中し、将来のキャリアを考えることがあまりできていなかったので、とても良い機会となりました。特に空間的な広がりや、キャリアの指向性(山登り/川下り)などはあまり意識できていなかった部分だったので発見につながりました。

・改めて自分が大切にしていることやキャリアチェンジしたくなる要因を振り返ることができ、よい時間でした。また仕事に真剣に取り組み、前向きにアクションされているみなさんとお話ができ、モチベーションにもつながりました。
セッションは時間が過ぎるのがあっという間で、もっと深掘りしたい…!と思いました。

・ワークシートを使ってキャリアを棚卸しすることによって、振り返るポイントを改めて掴めて、今後のことを考えるよいきっかけとなりました。川下りというキャリア形成の考え方があるということを知ることができたこともよかったです。


「キャリア」という大きなテーマは日々忙しく仕事をしていると、取り掛かりにくくなりがちなもの。また、唐突にwillを問われてもピンと来なかったりしますよね。
高みを目指すのもキャリア、流れに身を任せて出会った環境で全力を発揮するのもキャリアです。
改めて時間をとって考えたり、他の人に考えを発表したり共有することで、気づきや発見があったり振り返るきっかけが生まれ、そこから新たなチャンスに繋がっていくこともあります。

せっかくご縁あっていまこの職場で一緒に働いているのだから、一人一人にも組織にも可能性や特性を活かして活躍し続けてほしいと考えています。その可能性を最大限発揮できる環境や風土をつくっていけるよう、私たち人事も取り組んでいきたいと思っています。


※掲載内容は、2023年12月時点の情報です。

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