コンサルで味わえなかった“事業づくりの面白さ”に燃えた。ビジネス開発 武田のキャリアデザインとは
AIドラレコを活用した交通事故削減支援サービス『DRIVE CHART』を扱うスマートドライビング事業本部にて、ビジネス開発部 部長を務める武田の前職は、大手コンサル会社。「前職では土日もなく猛烈に働いたので、忍耐力は確実に磨かれたと思う。けれど、新規事業の成否を見分ける嗅覚や感性みたいなものは、もっと若いうちに“実体験”として積んでおけたらと思うことがある」と、これまでを振り返ります。
大手コンサル会社での自分、GOで感じた“湧き上がる感情”、取り組むべき使命…武田が描くキャリアデザインについて聞きました。
自分の感情を押し殺し、ゲームのようにこなす日々
——大学院修了後、就職先としてコンサルを選ばれた理由について教えてください。
私は機械工学部出身で、周りの友人は自動車メーカーや鉄鋼メーカーなどいわゆる“大手メーカー”を就職先として選んでいました。自分も同様に大手メーカーでの活躍を夢見た時期もあったのですが、選考を進めていく中で「守るべき利益構造が既にある大企業は、何か少しのことを変えるだけでも社内の多くの人のコンセンサスを得る必要がある。そのため動きが遅く、自らの判断で事業を動かすといったダイナミックな仕事ができるようになるのは50代・60代になってからなんだ」と感じてしまったのです。
世の中に必要とされる新たな価値を生み出すのではなく、社内調整に奔走する未来が見え、一気に関心を失ったところで、コンサルという仕事を知りました。コンサルという立場から、経営に関わることができれば、大企業であっても変革が早急に進み、「クライアント企業の競争力を高める」といった、インパクトを残す仕事ができるんじゃないか、いい世の中へと変えていけるんじゃないか…そんな期待をもって入社を決めたんです。
——コンサルでの仕事はどうでしたか?
製造流通、鉄道、小売、アパレル、建設、エンタメ、航空…など業界問わず、幅広いクライアントの業務改革に携わりました。コンサルはクライアントワークですから、お客様の求めるもの、喜ぶものを形にしていく。そこに嘘はなかったですし、自分自身も理解して臨んでいたことではあったのですが、どうしてもやりがいが見出せず、だんだんと割り切って与えられた課題をゲームのようにこなしている自分に気付きました。
例えば、クライアントとの打ち合わせで「こういう事業を検討してみよう」と話が出ると、コンサルとして関わっている私は、その事業に関連するあらゆることを調べていくんです。その結果100ページを超える膨大な資料が出来上がるのですが、それを持っていっても、実際に会議で人の目に触れるのはその中の10ページ程度しかなかったり、「社長の関心はもうここにないのでこの話はもういいです」と話にすらならず終わりになったりすることがよくありました。クライアントにとっては、あくまで契約しているコンサルタントでしかないことに、虚しさを覚えていきました。そのうちに自分の感情を押し殺し、目の前の課題をいかにもっともらしく早く答えるか…そこがゴールになっていたんです。
——そうだったんですね。そこから転職を考えたきっかけは何ですか?
転職する半年ほど前、グローバル展開しているアパレルメーカーの商品企画業務を改善するプロジェクトに携わることになりました。通常コンサルがアパレルの商品企画、つまり「服作り」の業務に関わることはないのですが、そのクライアントとの長い取引の中からたまたま出てきた話で私が担当することになったんです。
プロジェクトの傍ら、商品を企画・開発するマーチャンダイザーの仕事を、垣間見ることができました。そこでは、世界のトレンドや顧客のニーズを探るための市場調査や分析が行われ、そこからどのような商品を企画・開発し、その商品をどうやって販売していくのかということが議論されていました。この会社はグローバルカンパニーであるにも関わらず、私が思っている以上に少ない人数で物事のほとんどの決定を、現場の若手社員がしていることに驚かされる一方、責任範囲の広さや経営に及ぼすインパクトの大きさを感じ、ビジネスを作っていくことの魅力を知りました。
そこから、自分で事業を立ち上げていくことに興味を持ちました。今、世の中にはない新しい価値あるサービスを生み出し、ユーザーにどう使ってもらうのか。どこで利益を上げていくのか…。そういった事業全体を自分で創り上げていけたら面白いんじゃないかと、どんどんと創造が膨らんでいったんです。
“湧き上がってくる感情”で、仕事をする楽しさ
——その後、コンサルからGOの前進となるDeNA オートモーティブ事業部に入られていますが、決め手は何だったのでしょうか。
DeNA オートモーティブ事業部を選んだ理由は2つあって、1つは事業内コンサルのような形ではなく、新規事業のど真ん中で企画・開発に携われること。もう1つは、AIを使った事業であることでした。私が転職をした2017年当時、AIは既に世の中で話題になっていたものの、それをどうビジネスに活かしたらよいのか見えていない状態。ただAIを使ったビジネスの可能性を感じていたので、優秀なAIエンジニアが多数在籍している組織で事業企画・開発に携わりたいと考えていたんです。
——実際に入社してみて、どのように感じましたか?
子どもみたいな表現ですが、“めちゃくちゃ楽しい!”と心の底から思いましたね。もちろん新規事業なので思い通りにいかないことや壁にぶつかることもたくさんありましたが、前職で感じていた淡々とこなす時間は一切なかった。
このビジネスを大きくしていくためには何をしたらいいのか、何が課題となっているのか、それを解決するためには何が必要か…。自分たちで考え、必要だと感じた施策に真正面から取り組むことが楽しくて仕方なかったんです。自分の中から“湧き上がってくる感情”を大事に仕事をしていくってこんなにも刺激的なのか、と。
もともと事業会社にいた方であれば当たり前のことなのかもしれませんが、コンサル出身の私には大きな衝撃。それぐらい働き方が違っていたんです。
——武田さんにとっての“湧き上がってくる感情”とは?
私がDeNA オートモーティブ事業部に入社してからずっと手掛けているのは、AIドラレコを活用した交通事故削減支援サービス『DRIVE CHART』で、これはAIを搭載したドライブレコーダーが運転行動を解析し、事故の要因となる運転行動(例えば、脇見運転や一時不停止など)を自動で検知・記録し、運転者に行動改善を促すというもの。
ですから大きなテーマとしてあるのは、「交通事故を世の中から一件でも多くなくすためのサービス」という点です。交通事故は誰も望んでいないことですから、それを撲滅できたら間違いなくより良い社会になる。私たちのサービスで解決していきたいと強く思っています。
さらにその中で、もう一つ実現したいのは、「交通事故防止のために努力を積み重ねている企業が、しっかりと世の中で評価されるようにすること」です。『DRIVE CHART』に携わる中で、タクシー事業者、運送事業者、営業車等を保有する多くの企業に話を聞いてきましたが、企業によって交通事故に対する意識が大きく異なることに疑問を感じるようになりました。ドライバーに対する教育を熱心に行う企業もあれば、そうではない企業もある。けれど、1度事故を起こしてしまうと、どちらも同じ扱いになってしまうんです。それって変だよな、努力している企業がもっと評価されるようになり、そういった企業が増えることで、もっと良い社会にできるはず…というのが、自身の“湧き上がる感情”の原点だと思います。
個人情報を扱う企業が、PマークやISMS認証を取得するのと同様の考え方で、「安全運転の基準」が明確になり、その取組みが評価される仕組みを作りたいと思っています。
時間を無駄にせず、スキルや感性を磨ける仕事選びを
——事業の現状、これからの取組みについて教えてください。
将来的には自動運転車の時代が来るかもしれませんが、当面は運転は人間がするものなので、常に同じコンディションというわけにはいかないですよね。疲れていたりとか、イライラしていたりとか…場合によっては雑な運転になってしまうことがある。そういう状況を自分のパートナーのように寄り添い、かつ常に同じ基準でフィードバックしてくれる存在が、交通事故削減支援サービス『DRIVE CHART』です。「交通事故削減」において、非常に有効な手段だと可能性を感じています。実際に多くの企業に評価されてきていて、掲げた事業計画はほぼ達成。年率30%以上の勢いで成長しています。
しかしながら、マーケット規模でみるとまだまだ。このようなテレマティクスサービスの浸透率は、全体の3%程度ですから、我々がやるべきことは多くあると考えています。
——市場を作っていくフェーズなんですね。
そうですね。GOという社名を聞くと配車アプリ『GO』の印象が強いと思いますが、実はそれだけではありません。「交通に関する社会課題」を、会社全体でアップデートしていこうと考えている。今、まさに数百年に一度と言われる移動インフラの変革期で、GOはこの移動インフラの再構築の真ん中にいる企業です。この先もGOだから見られる新しい景色を創っていきたいですね。
——過去を振り返り、「就職活動中の武田さん」に何か伝えるとしたら?
当時の自分は誰もが知っている大手企業に入ることを優先していたし、そこが合わないと感じたらコンサルへ、とすごく飛躍して考えてしまったと思うんです。
今はビジネスとしての成長性があって、若い人の意見もどんどん取り入れていて、自分のスキルや感性が磨けるベンチャー企業はたくさんあると思います。そういう場所に身をおいて経験を積むことは全くマイナスではなくて、むしろ貴重。自分で考え、手を動かして何かを作り上げた経験は、10年・20年先を見越したときに大きな価値になる。ある程度キャリアを積んだときに、逆に大手企業からも求められるスキルになっていくと感じています。
自分の中に「世の中に新しい価値を提供したい」という気持ちがあるのなら、企業の規模に関係なく、そういうことが経験できる場所を見極めてほしい。いろいろなキャリアの築き方があるのだと伝えたいですね。
※掲載内容は2023年9月時点の情報です。
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