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究極的に「汎用性」が高いプロダクト共通基盤が、日本のモビリティの未来を最速でつくる――SREチームが担う、MoTのものづくりポリシー

「止まらないサービスを最速で作る仕組みづくり」をミッションとする、SREチーム。

インフラからサーバサイドアプリケーションの開発までを手掛け、Mobility Technologies(MoT)の各種プロダクトの安定化と品質改善に取り組んでいます。

目下の課題は、旧JapanTaxiと旧DeNAオートモーティブの事業統合により増した「複雑性」をいかにシンプルにしていくか?

SREチームのリーダーである水戸祐介、エンジニアのプレシ カンタンに日々の取り組みを聞きました。

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▲左:水戸祐介、右:プレシ カンタン

「汎用性」を究め、エンジニアが価値提供に集中できる共通基盤をつくる

――SREチームにおける、お二人の役割を教えてください。

水戸:モビリティプラットフォームを作っていく上で、社内の様々なチームが抱える課題を発見し、どのように解決すれば全社的に効率よく目標を達成できるのかを定義しています。

例えば、システムがスムーズに動いているように見えて実は問題があったり、複数のチームが同じような問題を抱えていたり、といったケースです。旧JapanTaxiのプロジェクトであればほぼ全ての動きを把握できていますが、事業統合により把握しなければならない量が2倍に増えたため、今後はさらに視野を広げなければなりません。

カンタン:私の役割は、水戸さんの定義に具体性を持たせ、実装に近いレベルまで落とし込むことです。各チーム・プロジェクトに様々な課題がありますが、その場限りの対処ではなく、他のチームやプロジェクトの課題にも寄与できる解決方法を考えた上で開発に着手しています。

――事業統合後、SREチームが注力していることを教えてください。

水戸:配車システムはデータ処理が非常に複雑で、トラフィック負荷よりもシステムの複雑性をコントロールしていく過程に課題が生まれがちです。そのため、SREチームが発見・解決した課題を他のチームやプロジェクトに即座に反映できるように、様々なアプリケーションを動かせる共通基盤を整えています。

前提として「技術を正しく使うことでユーザーに大きな価値を提供できる」という考えがあります。ソフトウェア技術には、反復・水平展開するコストが非常に低いという特性がありますが、これを活かすためには、反復・水平展開するための下地が整っていなければなりません。

そのために、可能な限り共通の仕組みを作り、ルールを定義する必要があります。一要素の改善を全体に展開し、技術効果を最大化することができれば、ユーザーにも最大の価値を提供できるようになるのです。

カンタン:共通基盤の開発と並行して、プログラミング言語をはじめとする技術選定などのルールづくりにも取り組んでいきます。技術選定を間違えると負荷も複雑性も増してしまうため、非常に重要です。様々な課題を踏まえて方針を策定し、各チーム・プロジェクトに周知していく必要があると感じています。

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「汎用化」が目的ではない。手を動かして最良の一手を見出す

――汎用化・ルール化の最適解をどのように見つけているのでしょうか。

水戸:“仕組み化”できそうな課題は数多くありますが、仕組み化すること自体、対象に対して一定の複雑さを導入することになります。そのため、「得られるメリット」と「仕組み化によって増す複雑さ」のバランスを取りながら、仕組み化する部分を見極めています。

また、課題に対して精度の高い見極めをするには机上の分析だけでは難しいケースが多々あります。実際に自らの手で課題を解決する事例を重ねることが、課題の本質について理解を深めることにつながり、その結果、バランスの良い適切な仕組み化ができると考えています。

もちろん、外からの情報も参考にしていますが、「事例があるから取り入れる」という判断はしません。MoTの課題にどうマッチするのかを、手作業と外部情報の両面から見つけ、効果を最大化できる解決策を見出していく――やや理想論ではありますが、そのような姿勢で取り組んでいます。

カンタン:時間がある時に、新たな技術を検証しています。世の中にある技術と、その技術が解決できそうな課題をあらかじめ把握しておくことで、MoTの課題が明確になった際に迅速に対応することができます。アプリの統合が一段落したら、改めて継続的に取り組んでいきたいと思っています。

――今後、モビリティプラットフォームの実現に向けて「GO」に様々な機能が搭載されていく中で、お二人が取り組みたいことを教えてください。

カンタン:サーバーに加えて新規事業にも共通基盤・ルールを適用できるようにするとともに、コスト面で課題が出てくることを見越して、クラウドサービスを活用したコスト削減の仕組みを新たに考えていきたいです。

また、現状バラバラになっている仕組みを共通化した後は、新たなサービスを自ら開発したいと考えています。自動運転が実現してタクシーでの移動がより便利になれば、必ずしも自分で車を所有する必要はなく、代わりに新しい“楽しみ”の可能性が生まれてくるはずです。車両のセンサーから得られる様々なモビリティデータを活かした新規事業に携われればと思っています。

水戸:MoTで共通化できる技術領域をさらに広げ、新たにサービスを開発する際には、そのサービス固有の技術だけにフォーカスできる状態を生み出したいです。コスト面を考えても、共通化が進むことで、一要素の改善に対する全体への寄与率が高くなっていくため、とても価値のある仕事だと考えています。

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SREの醍醐味は、基盤から社会をより良く変えていけること

――お二人がタクシー・モビリティ領域に興味を持ったきっかけを教えてください。

カンタン:過去にモバイルキャリアの研究所で、モバイルネットワークの品質や「移動」に関する研究をしていました。

サービスを提供するためには様々なデータが必要です。MoTには、タクシー配車、画像・映像、ユーザーからの評価など多様なデータがあり、エンジニアとして携われる分野も幅広く、事業展開にも多くの可能性があります。そこに大きな魅力を感じました。

水戸:人々のライフスタイルをより良く変えられるものを作りたい、という思いが根底にあり、そのひとつとして「移動」に関心を持ちました。その中でタクシーを選んだのは、最も大きく変化する可能性があると感じたからです。

ちなみに、実はカンタンさんも私も、SRE・インフラメンバーとしてMoT(旧JapanTaxi)に入社したわけではありません。入社後にこのポジションを選んだのは、基盤となる領域の課題を解決することがサービスに与える影響が大きいと実感したためです。一見、インフラや基盤はユーザーと遠いところにあると感じがちですが、サービスの品質を支える基盤なので、むしろ技術の追求がユーザの課題解決に直結する業務領域だと感じています。

――最後に、MoTへの入社を検討しているエンジニアの方々に向けて、SREチームの魅力、SREチームに合うエンジニア像を教えてください。

カンタン:魅力としては、事業のために改善すべきことを、チームメンバーと一緒に最後までやりきれることです。旧JapanTaxiの時に、クラウドサービスの移行作業をトラフィックを一切止めずに実施したことがあります。新しい技術に触れる機会も多く、他社では難しい貴重な経験を積める環境が整っていると思います。

水戸:SREチームのエンジニアとして必要不可欠なのは、「徹底的にユーザーの課題を解決することに集中する」こと。コードを書くことや指示されたものをその通りに作ることが“仕事”ではなく、タクシーの乗客や乗務員、タクシー事業者の方々、さらには社内の開発者といった「SREチームのユーザー」が困っている重要な課題を解決することが“仕事”です。ユーザーにとっての課題とその最適解を常に自分で考え、実践することが求められます。

また、「仕組みによって課題を解決する」ことも重要です。繰り返しになりますが、汎用的な仕組みを構築し、スケールする形での課題解決を意識できること。目に見えている課題ではなく、その裏側にある普遍的な課題発生のメカニズムを理解できることが大切なのです。

カンタンさんが魅力として挙げた「新しい技術に触れる機会が多い」という点も、こうした姿勢の上に成り立っています。新しい技術だから取り入れるのではなく、ユーザーの課題解決に繋がる、あるいはユーザー体験の改善に繋がるからこそ、新たな技術を取り入れるのです。その順番を間違えないことが、SREチーム、そしてMoTにとって非常に重要です。

※掲載内容は2020年10月時点の情報です。

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