「決して裏方ではない」タクシーアプリ『GO』を“攻め”の視点で支えていくエンジニアたち
「タクシーアプリ『GO』を支える“攻め”のチームです」
Mobility Technologies(以下、MoT)のバックオフィス基盤グループの役割について聞いたところ、返ってきたのはこの答えでした。
一般的に“バックオフィス”という言葉が指すのは「後方支援」。“守り”の印象こそあれども“攻め”の印象は強くありません。一体どういうことなのでしょうか。
MoTにおけるバックオフィス基盤グループの存在意義を、バックオフィス基盤グループ全体に関わっている開発本部 ソフトウェア開発部 副部長の待鳥了と開発本部 ソフトウェア開発部 津谷諭が語りました。
タクシーアプリ「GO」の決済システムを手がける技術者たち
ー「バックオフィス基盤グループ」という組織名にあまり耳馴染みがない方もいると思います。
待鳥:私たちが手がけているのはタクシーアプリ「GO」の決済システムがメインです。決済システムや売上をタクシー事業者と弊社の売上に仕分けするシステム、タクシー事業者が1日の売上額などを確認する管理画面、そこから拡張して、リアルタイムでタクシーが走っている場所を把握するための管理画面、電話予約対応を取り入れているタクシー事業者向けに日常のオペレーションを補完するような管理画面なども開発しています。
ーかなりMoTの事業に特化した業務という印象です。
津谷:おっしゃる通りですね。MoTのドメインを理解していないとできないエンジニアリングは多いと思います。それだけタクシー事業者に寄り添って開発していると言えるのではないでしょうか。
ー他の業態ですと、どういったエンジニアの方たちの仕事に近いのでしょうか。
津谷:一概には言い切れませんが、キャッシュレス決済のアプリを開発しているエンジニアの方たちの仕事が近いかもしれません。
ーこの仕事ならではの部分は?
待鳥:扱われるお金の”主語”についてはいつもすごく気を遣っています。ユーザーにとっては支払いだけど、タクシー事業者にとっては売上になるわけです。
津谷:同じ行為でも主語が違えば意味合いが変わってくるので、社内から問い合わせを受けたときなどもすぐに頭の中で変換して理解しなければ話が進まない。常日頃から言葉遣い、コンテキストには気を配っています。
待鳥:「1,080円」というお金も、ユーザーが支払ったのか、タクシー事業者の売上なのか、僕らの売上なのかによって意味合いは全く変わってきます。さらに内訳を見ると、僕らの受け取る手数料やクーポン利用なども含まれているので、「誰のお金か」を明確に示してコミュニケーションしないと正しい処理ができなくなってしまう。
さまざまな関係者のハブになっているようなグループなので、コンテキストを正しく理解していないとすべてに影響を及ぼしてしまうリスクがあるわけです。
バックオフィス=裏方ではない
ー非常に難易度が高い印象を受けるのですが……!
待鳥:確かに特殊かもしれません。ただ、いろいろと切り口はあるものの私たちが目指すのはタクシーの乗車体験を決済の面から向上していくこと。そのためにはクレジットカード以外のさまざまな決済手段に対応していくことが特に求められていると捉えています。「この方法は決済ができないから降りられません」は体験が悪すぎますからね。
ーその中でも特に大変な点は?
津谷:繰り返しになりますが、やはりコンテキストをまとめるところは難易度が高いですね。サービス開発のさまざまなシーンでさまざまな部署からコンテキストの異なる内容を相談されるため、内訳含めて本質的に分解して整理していかなければならないので。
待鳥:僕らだけではコントロールできないところ、いろんな部署に相談しないと適切な対応がわからないところなどもあり、複雑性を増しているのかもしれません。
そもそもタクシーの乗車料金自体は国で定めていますし、タクシーを呼ぶときの迎車料金も事業者によってルールが異なります。僕らの売上に計上していくためには諸々の税金含めてひとつずつ分解していかなければいけませんし、当然決済代行会社とのやり取りも発生します。自分達だけで完結できない仕組みが多い点は難しさを感じるかもしれません。
津谷:サービス開発の相談を受けるときは「それは通過勘定で課税対象外という扱いで大丈夫ですか?」みたいなコミュニケーションになりますからね。さまざまなコンテキストと向き合っていくためには、関連法案をある程度知識として身につけていないと正確な判断は難しいと言えます。
ー「バックオフィス」という言葉が部署名に入っていますが、全く裏方ではない、と。
待鳥:バックオフィスと聞くと“守り”の印象が強いかもしれませんが、むしろ“攻め”です。プロダクトが新しいマネタイズを検討するときは一番に相談される立場ですし、タクシー事業者からは毎日の売上管理について相談を受けることもあります。ビジネスサイドから持ち込まれるリリース時期が決まった企画については柔軟性ある判断・対応が求められるので、「“攻め”のバックオフィス」といっても過言ではないかもしれません。
津谷:サービス開発を柔軟に支えていくことが目的なので、もちろん“守り”の要素も必要なのですが、あえて“攻め”の要素を持つことでより主体者としての意識を持って取り組むようにしています。
待鳥:僕らも知識を身につけて関係各所と対等に会話できる状態でなければ、よりよいサービス開発は実現できませんからね。もしうやむやなままサービスをつくってしまっても最後に迷惑がかかるのはタクシー事業者の経理担当の方たちなので、彼らの負担を減らすためにもできる限り上流からコミットすることでキレイな流れになるよう整理しています。
サービス開発に能動的に関わっていく醍醐味
ーやりがいという点では?
待鳥:非常にシンプルですが、僕らの頑張りによって、会社の売上にインパクトを与えられる点ですね。
津谷:会社の収益を支えているグループですからね。上流から関わっていく際には話を聞いてレビューする立場ではなく、「仕様はこうした方がいいのでは?」と積極的に提案をしているので、プロダクト開発に直接携わっている実感は強いです。
ー 一度に担当する案件数は?
津谷:時期にもよりますが、3案件くらいです。いつも、一つひとつが大きい気がします(笑)。
待鳥:会社としても今後は上場を見据え、お金の監査や請求の仕組みなど精度の高いシステムをつくっていかなければなりませんからね。ただ、そればかりだと“守り”に寄ってしまうし、かといって”攻め”ばかりだとやりすぎてしまう可能性があるので、バランスをとりながら向き合っているところです。
ーバックオフィス基盤グループで働くにあたって大切なことをそれぞれひとつ挙げるとしたら?
待鳥:タクシーアプリ「GO」の事業責任者と同等の当事者意識は持っておくことです。
事業責任者は「どうすれば売上につながるか」「プロダクト開発はどうあるべきか」「いつまでにやるべきか」をそれぞれバランスを見ながら取り組んでいるので、彼と二人三脚で開発できなければ先ほどお伝えしたような“いい流れ”はつくれない。
指示待ちでもなく、かといって技術先行でもなく、MoTの主力事業である「GO」と歩んでいくことが求められるのではないでしょうか。
津谷:私が感じるのは「物事の本質を見ようとすること」ですね。先ほどのコンテキスト、主語の話にもつながりますが、1,000円というお金を目の前にしたとき「この1,000円は誰の何?」と思えて、かつ「これは何の対価なのか」まで追いかけられること。好奇心や探究心、物事の本質を見抜く力が大切だと考えています。
ー現在どのような環境にいる方をお迎えできると嬉しいですか?
待鳥:僕らの事業ドメインに近そうなキャッシュレス決済のアプリなどを開発している方とはぜひ一度お会いしたいですね。決済のロジックに長けたエンジニアは多くはないものの一定数いるはずなので。ユニコーン企業であるMoTにぜひ力を貸していただきたい。1.5兆円とも言われるタクシー市場を取りに行けるポテンシャルは秘めているので。
津谷:しかも、MoTでは「GO」以外のサービスでも収益を生んでいますからね。全体で数千億、そしてそれ以上を狙っていくための基盤をつくるチャンスです。社内でもバックオフィス基盤グループの重要度は認知されているので、今後主役になっていける部署で活躍していただけたら嬉しく思います。
待鳥:求められる技術はユニークだと思いますよ。一般的に備え付けのPOSレジアプリなどは安定したネット回線で決済できるのが前提です。でも、タクシーはWi-Fiが通っていてネットが使えるとは限らない。まだまだ携帯の電波すら届き切っていないような特殊な環境の地域でも決済を許容するサービスは他にないのではないでしょうか。
タクシーを軸に社会課題と向き合っていく覚悟
ー現在挙げたような方たちにMoTの魅力をお伝えすると?
待鳥:イレギュラーなマネタイズの仕組みや決済のあり方を学ぶチャンスは非常に豊富です。さまざまな分野でDXが進められていますが、新たなサービスを考える際にマネタイズの問題には必ず直面します。将来的に次のステージで新たなチャレンジをする際も、MoTで学んだことが糧になるはず。キャリアにおける種まきという意味でも期待に応えられる環境である自負はあるので、ぜひ飛び込んできていただきたいですね。
津谷:そうですね。長く通用する考え方を最先進の現場で学ぶことができるのは大きな魅力だと思います。
ーこれからのグループのビジョンは?
待鳥:繰り返しになりますが、タクシー市場の半分以上を占められるようなプロダクトを目指していきたいですね。ユニコーン企業としてこれだけ成長した状況下で上場を目指せる環境は、国内では本当に限られているのでぜひ経験してほしいです。
津谷:とはいえ、まだまだ「会社としてはやりたいけれどバックオフィスが追いついていないから着手できない」という企画もあります。どんどん攻めて、やりたいことをすべて実現していけるような体制をつくっていくことが急務なので、「興味がある」という方は話だけでも聞いていただければ幸いです。
私たちが今向き合っているのはタクシーのユーザーであり、タクシー事業者ですが、その先には交通という社会課題があるんですよね。その社会課題と向き合う会社の基盤を一緒につくっていきたいですね。
待鳥:そうですね。一緒に切磋琢磨しながら上場までバックアップして欲しい。もはやタクシーは日本の交通インフラですからね。交通インフラのDXを通じて社会課題を解決していくワクワクを一緒に味わってみませんか?
※掲載内容は2023年1月時点の情報です。
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