作家活動とGOのデザイナー。「二足のわらじを履くといい」という言葉を胸に、可能性を模索する日々。
プロダクト以外の、人々が“GO株式会社”という組織に触れるタッチポイント全て。これが、GOのコミュニケーションデザイングループが担っている領域です。
実際に活躍しているグループメンバーは、日頃どんなアウトプットをしていて、どんなバックボーンを持っているのでしょうか。
丸山はタクシーアプリ『GO』の法人向けサービス『GO BUSINESS』のマーケティング施策をはじめ、全社会のクリエイティブなどのアウトプットを手がけてきました。一方、プライベートではイラストレーターとして作家活動を続けています。
「デザイナーとしての自分と、イラストレーターとしての自分が、互いに支え合っているんです」
GOにコミュニケーションデザイナーとして入社して一年。
入社を決めた理由、デザイナーとしての顔と作家としての顔、これまで歩んできたキャリアステップなど、様々な角度から聞いてみました。
デザイナーとしての成長を求めて、GOへ
ー まず簡単に、自己紹介をお願いします。
丸山:2023年11月にGOへ入社し、デザイン部コミュニケーションデザイングループに所属しています。前職では保育系事業会社でインハウスのWebデザイナーとして、Webだけでなくロゴやチラシといった幅広いアウトプットに携わっていました。デザイナーは私一人だった時期もありましたが、最終的に5人まで増えて、GO入社当時のコミュニケーションデザイングループと同じくらいの規模感でしたね。
ー 保育系事業会社からの転職を考えるきっかけは何でしたか?
丸山:5年ほど経過して、大体やりたいことがやれたなというのと、デザインのテイストに偏りがあったので、もう少しアウトプットの幅を広げていきたくて転職活動を始めました。
また、今思うとこれまで選んできた環境に共通しているのは「社会貢献」だったかもしれません。GOは私がこれまでに向き合ったことのない社会課題の解決に取り組んでおり、デザイナーとしての新たなチャレンジになると感じて入社を決めました。
自分の色を活かす仕事から、マーケティング視点の業務まで、幅広いアウトプットに挑戦
ー GOに入社してからのお仕事について教えてください。
丸山:最初の仕事は『ニセコモデル』のプロジェクトでした。プロジェクトの初期から携わっていたコミュニケーションデザイナーが設定したクリエイティブ方針に基づき、各メディアに展開していきました。
同時に、『GO BUSINESS』のWebマーケティングにもジョインしたり、FY23上期全社会の景品も作りました。景品のポーチは、イラストがGOっぽくないかなと悩んでいたんですが、「丸山さんをGOの社員に紹介する機会にしたいので、むしろ丸山さんらしい色を出してほしい」と言って頂いて。既に在籍していたメンバーのディレクションの元、描かせて頂きました。
丸山:といっても、ただ自由に自分の色を出したわけではなくて。当時はちょうどオフィス移転のタイミングで、新しいオフィスの会議室には日本各地の山の名前が付けられていました。登山には登山計画が必要なように、事業の成長にもしっかりした計画が必要。そんなコンセプトから着想し、山をモチーフにしたイラストを描きました。このイラストはキャンバスに印刷をして全社会の会場に置き、社員のみなさんでライブペイント形式のコンテンツを用意しました。
また、社員から社員への感謝を伝える「サイレントヒーロー賞」の受賞者に贈るステッカーを制作しました。光のグラフィックをよく見ると、“HERO”の文字が隠れています。「日頃の忙しさに埋もれてしまいそうな他者への気遣いや頑張りを私たちは見ているし、そんなあなたの存在のおかげで確実に光が繋がっているんですよ」というメッセージです。
ー GOは公共性が高い事業もありますし、会社として守りを強化しているイメージがあったので、「自分の色を出しながらデザインしていい」と後押しされるような環境があるのは少し意外でした。
丸山:自分の色を出せる仕事もあるけれど、無理に自分の色を出すことはあまり考えていないです。伝えたい意図をより伝わりやすいように設計することがデザインなので。むしろ、出そうとしなくても自然に出てしまうものが個性だと思います。
例えば『GO BUSINESS』をはじめとしたマーケティング施策に関しては事業部観点の色を出すことが最優先ですね。いずれにしても、幅広くアウトプットすることが出来る環境だと思います。
GOは個人の裁量も大きく、メンバーそれぞれが自身の強みを活かしながら活躍しています。私はこれまで、自走することが求められる環境に身を置いてきたので、GOの空気にすんなり馴染めました。
自由で風通しの良い社風だからこそ、Valueのような指針を大事にしているのかなと思います。
とにかく形にすることで、プロジェクトをリードしていく
ー デザイナーとして、『GO BUSINESS』のマーケターとやりとりする際に意識していることはありますか?
丸山:とにかくまず形にすることです。
私はおっとりした性格だねと言われることがあって(笑)。最近自分を客観視することが増えているのですが、言葉でロジカルに伝えるのはそこまで得意ではないんです。簡単なものでも形にして「こういった方向性はどうか」と提案するほうが自分に合っているなと思います。それはコミュニケーションデザイナーの強みでもあると考えています。
マーケターの頭の中で作りたいものがはっきりしている時もあれば、そうでない時もあります。『GO BUSINESS』のイベントグッズを手がけた時は、納期や予算、何を作るかも決まっていない状態でした。いくつかのデザイン案を作って見せることで、プロジェクトメンバーが具体的に考え始めるきっかけになりました。
プロジェクトには納期やコストの制約がつきものです。そういった制約のなかで最適な落としどころを見つけるための提案をすることも、コミュニケーションデザイナーの大切な役割だと考えています。
『GO BUSINESS』Webサイトのリニューアルでは、コストを抑えつつ、リニューアルによる高揚感を出せるよう工夫しました。既存ページを活かしながら、少ないリソースで最大限の効果を出せるデザインを意識しています。
ー まず形にして提案することで、プロジェクトをリードしていくんですね。
丸山:単に依頼されたものを提供するだけだと、インハウスらしさがないと思うので。ずっとGOに関わっているからこそ「もっとこうしたら良くなるんじゃないか」と自発的に考えることがあります。そのアイディアを、今自分が関わっているプロジェクトとどうやってフィットさせていくかを考えるのが、インハウスデザイナーとして貢献する醍醐味だと思います。
「二足のわらじを履くといい」というアドバイス
ー イラストレーターとしての作家活動についてもお聞きしたいです。イラストを描き始めたきっかけは何だったんですか?
丸山:一般の四年制大学に進学したのですが、「自分が進んだ道はこれでよかったのだろうか」という想いが強くなって、大学卒業と同時にデザインの専門学校に通い始めたのが大きなきっかけかもしれません。幼少期から絵を描くことが好きで、将来の夢は画家や漫画家と答えることが多かったですし、ものづくりをしたい気持ちを捨てきれなかったんです。
とにかくものづくりに関わりたいという気持ちで専門学校の課題をこなしていくなかで、イラストレーションに興味を持つようになりました。学校の講師の方や友人からは、イラストを活かしたデザインアウトプットがいいと言われることが多く、そぎ落として洗練させていくようなデザインを作るよりも手ごたえを感じていました。何より描くのが楽しく、気がついたらイラストレーターを目指していました。
最初に勤めたのは絵本の出版社で、編集アシスタントとして編集部に入りました。編集部に入ることで、イラストレーションを作家に依頼する流れがわかるのではないかと考えたんです。
そんな中でお世話になった編集者の方から「二足のわらじを履くといい」というアドバイスを受けました。当時はピンとこなかったのですが、今振り返ると、生活を心配してくれたからこそのアドバイスだったのだと思います。実際、イラストレーター一本では生活が成り立ちにくいこともあります。
ー 二足のわらじを履くことに対して、最初は抵抗がありましたか?
丸山:私は宇野亜喜良さんや横尾忠則さんなどの作品に影響を受けていて、イラストレーションとデザインどちらも行うクリエイションに魅力を感じていました。なので抵抗はなかったですね。実際、デザイナーとしての自分と、イラストレーターとしての自分が、互いに支え合っていると思います。
あの時編集者の方から声をかけてもらわなければ、デザインという仕事に触れていなかったですし、今思うと本当にいい助言を頂いたなと感じています。
ー その編集部では編集アシスタントのお仕事だけでなく、デザインのお仕事もされていたんですか?
丸山:初めは外部のデザイナーさんへ渡すためのラフレイアウトやチラシを作っていました。そこから徐々に帯や装丁など、デザインの仕事も任せてもらえるようになったんです。小さな会社だったこともあり、部署間の役割の線引きがそこまでなく、多岐に渡っていろいろなことを吸収できる環境だったと思います。
それからだんだんと、デザイナーが専門性を発揮しながら活躍している会社に行きたい気持ちが強くなり、転職を決意しました。その出版社とは退社後も繋がりがあり、今でも装丁のお仕事を受けたりしています。
相互作用の中で生まれるアウトプットとキャリア設計
ー GOのコミュニケーションデザイナーとして活躍しながら、作家活動をされたり、副業をしたり、どうバランスを取っているんでしょうか?
丸山:作家活動や副業は休みの日だったり、GOの仕事が終わったあとに、自分のペースで自然に出来ています。リモートワークがメインですし、フレックス勤務なので、体力も時間も十分調整しやすいですね。来年は展示をやりたいなと思っています。
GOのコミュニケーションデザイングループはエンジニア領域に強いメンバーもいたり、それぞれが強みを持っていて、とても面白いチームだと思っています。他にも様々な部署の多様なメンバーと関わることが多く、一人で制作していたら得られない気づきや学びがあります。なのでデザイナーとしてチャレンジする機会に恵まれますし、そのおかげで作家としての表現幅も広がっている実感があって。
バランスを取るというよりは、互いに影響し合っている、という感覚が近いかもしれません。
ー GOでのお仕事と、作家活動で、お互いに良い作用があるんですね。
丸山:そうですね。イラストのモチーフを探している時に、「これ、GOの仕事で使えそうだな」と思ったり、GOの仕事を通じてイラストで試してみたいことが思い浮かんだりすることがあります。GOのコミュニケーションデザイナーとイラストレーターとしての活動を行き来しながら、そこで生まれるひらめきを大事にしつつ、自分の可能性を日々模索しています。
こうして過去を振り返ってみると、未来の自分をイメージしながら動いていたのかなと思います。これをやりたいならこういう環境にいこうとか、こういう環境にいったらこういうことが得られるとか、キャリアのステップを無意識ながら設計していたのかもしれません。
ー 言葉でロジカルに伝えるのは得意ではないとおっしゃっていましたが、丸山さんの頭の中にはロジックが組み立てられている気がします。
丸山:それをアウトプットする手段が私の場合は言葉ではなく、デザインなんだと思います。けど、イラストは無心で描くようにしています。うまく描こうとしたり、テーマを設定したりもせず。なんとなく描くほうがうまくいきやすいんです。
※掲載内容は2024年11月時点の情報です。
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