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新執行役員 佐々木 将洋の信念|超難問だから面白い。数学的思考で、新規事業の急成長を牽引

GO株式会社では、さらなる事業と組織の成長・拡大に向けた経営体制の強化を目的とし、2023年9月1日(金)付でGX事業本部 本部長 佐々木 将洋が執行役員に就任。「最も難しくて、最も重要度が高く、世の中に与えるインパクトが大きいことに常に挑戦していきたい」と語る佐々木に、昨年12月に立ち上がった「GX事業」の現状と今後、大事にしている仕事観、メンバーとの向き合い方について聞きました。

佐々木 将洋(ささき まさひろ)  執行役員 GX事業本部 本部長 
兵庫県出身。2010年、株式会社ニッセンに入社。コールセンターの全体進捗管理を実行しながら、全社横断のVOC活動を行った後、物流改革の組閣と実行を手掛ける。2014年に株式会社マクロミルを経て、2015年に株式会社ジモティーに入社。CS・リスクマネジメント・ビジネスなど幅広く牽引。IPOも実現し、取締役・執行役員を歴任。2021年5月よりGO株式会社(旧:株式会社Mobility Technologies)に入社。マーケティングやアライアンス、コーポレートブランディング強化などを推進した後、新規事業として地域共創やGXを立ち上げ、GX事業本部 本部長を経て、2023年9月より現任。


昨年立ち上げた新規事業の急成長を目指す

——「GX事業本部」の取り組みについて教えてください。

GX事業が取り組んでいるのは、当社が持つテクノロジーとタクシー事業者ネットワークを活用し、EV車両や充電器導入を含むエネルギーマネジメントシステムの構築です。社会全体のカーボンニュートラルへの意識向上を促進し、まずはタクシー領域で年間のCO2排出量を3万トン削減し脱炭素化を目指しています。

2022年12月、タクシー車両のEV化からスタートし、事業計画は順調に推移しています。もちろん新規事業ですから細かな壁は多々ありましたが、その多くは想定内でした。導入したタクシーEV車が数十台レベルの段階で、起こりうるトラブルを根本から解決し、二度と起きないよう恒久対策を講じることができています。そこから車両数を一気に拡大し、わずか半年ほどで100倍ほどの導入数を実現しました。

現在はタクシー車両に限らず、トラックや営業車など商用車のEV化、廃バッテリーの有効活用、CO2など温室効果ガスの排出削減量を売買可能にするカーボンクレジットなど、さまざまな事業が派生し、新たに動き出している段階です。

——好調なスタートを切り、今後はどのような世界を目指していますか。

トラックや営業車など商用車のEV化、廃バッテリーの有効活用、カーボンクレジット…その先に見据えているのが、「マイカーEV化」に紐づく事業拡大です。タクシー、商用車のための充電プラットフォームを「マイカー」にも開放し、同時にタクシーアプリ『GO』の中で、充電器の位置確認から、予約、決済まで対応できると考えています。

そして、もう一歩先にある「自動運転」においても、自動運転車はEV車両が前提になると見込んでいて、マイカー同様、ここまでGOが築き上げたネットワークをフルに活用した運用ができると予測しています。

世の中の“不”を解消する「事業の仕組み」を作りたいと思った

——佐々木さんは、もともとGX事業に興味を持っていたのでしょうか。

正直に言ってしまうと事業内容の観点ではなく、「意義」や「難易度」「重要性」という意味で関心を持っていました。

——どういうことでしょう?

僕は仕事をするなら最も難しくて、最も重要度が高くて、世の中に与えるインパクトが大きいほうが良いと考えていて、そういう意味で「移動の歴史」に名を刻むような大プロジェクトである「GX事業」に興味を持っていましたね。

複雑に絡み合った超難問に向き合う高揚感や手応えが味わえることももちろん魅力に感じていますが、もう少し深く考えてみると、根本には「自分が死んだ後にも後世に名を残したい」「難しい仕事を成し遂げたほうがかっこいい」…そんな中学生が抱くような子供じみた承認欲求が自分の中にまだ残っているんですよね。それが意外と自分を突き動かす原動力になっているのかもしれないと感じています。

——承認欲求…ですか。

そう思うようになったのはいつ頃からだろう?と振り返ってみると、きっと小学生ぐらいから。僕の父親は独立して設計士をしていたんですが、考え方や規律みたいなものにものすごく厳しい人で。「子供だから」という甘やかしは一切なくて、褒められた記憶はほとんどないんです。

おそらく、そういう環境で育っていたので、認められたい気持ちが「外」に向いていたところはあったと思うんです。どうすれば褒められるか?認められるか?を常に気にしていたので、小学生ながらに大人が喜ぶことが分かる。友達のお母さんから「佐々木くん、偉いわね」「すごいわね」とよく言ってもらっていましたね。

改めて言葉にしてみると、かなり小賢しい子どもですね(笑)。

——(笑)。要領が良かったんですね。

そうですね、ポイントを掴むのが得意だったので、テストとかでも「作る側からすると、ここを答えてほしいんだろうな」と考えて勉強するタイプ。無駄な時間を使わず、最短でゴールにたどり着く方法を常に考えていましたね。

だから、勉強の中で一番好きなのは数学でした。なぜなら数学は公式を覚えてしまえば、応用すればいいだけ。「型」にあてはめていけば、正解が導き出せる。すごく合理的で、すごく効率的で、自分の性質とめちゃくちゃ合っていたんだと思います。

——大学では数学の道を選択したのですか?

数学が好きでずっと理系の道を進んできていたのですが、高3のときに大学の進路にものすごく悩んだんです。この先、自分が仮に数学者になったところで世の中にどんなインパクトを残せるのだろう?どんな意味があるだろう?と感じてしまった。

それよりも、世の中にある多くの“不”を解消する「型=仕組み」を作ったほうが大きな意味があるんじゃないか。たくさんの人たちに喜んでもらえるのではないか。日本を元気にできるのではないか…そこから理系から文系志望に変え、大学は経営学部に進学。後世に残る事業やサービスの仕組みを作りたいと考えるようになったんです。

そういうベースもあるからなのか、勝ちパターン、型化、原理原則、…といった数学的な考え方は、仕事をする上でも大事にしていることですね。

——数学的な思考で事業の仕組みを見ている、と。

それはあると思います。いくつかの“勝ちパターン”の中からうまくいった要因を見つけ出し、概念化する。そして、新たなビジネスを立ち上げる際には、これまでの経験から得た「原理原則」を抽象化・構造化して、再度具体化する、そんなイメージを持っていますね。

ですから今回、GX事業を順調にスタートできた要因の一つとして、ビジネスモデルを徹底的に磨き上げた点も大きいと思っています。僕はこれまでにGXに関する経験やタクシー業界での経験は積んでいませんが、歴史や過去の経験からの“勝ちパターン”から類推し、何度も議論を重ね、何度も戦略を書き直し、成功を確信できる仕組みを創り上げていきました。

プロ集団であるために。背中を預けられる関係を大事に

——メンバーと向き合う上で、大事にしていることを教えてください。

僕が求めているのは、“プロ集団”でありたいということです。そして、そこには同じ目標に向かっている仲間として、安心して“背中を預けられる関係性”が大事だと考えています。

ですから、例えば半期に一度の目標設定においては、互いに納得行くまで何度も何度もすり合わせの時間を設けています。メンバーの中には「まだやるんですか…」と思う人もいるかもしれないですが、僕にとってはすごく大事なこと。過去には目標設定のために10回以上、ミーティングをしたこともありました。

——徹底しているんですね。

パワーをかける理由は、そこが擦り合っていないのに背中を預けられる関係性にはなり得ないと思うからです。そのメンバーに何を任せるのが本人のためにとっても良いのか自信が持てないですし、そのメンバーの長所を活かせているのかも分からない。結果的に組織の不安要素になり、良い関係性は築けないと思うんです。

あとは、シンプルに自分の好奇心もありますね。メンバーから「こう思う」「ここに困っている」という言葉をもらうと、なぜそう思ったのかを掘り下げてしまう。何がそう思わせるのか?原理原則に興味関心があるので、あらゆる事象において知りたくなってしまう。自分が知らなかったこと、気づいていなかったことがあったのではないかと思うんですよね。

ただ、「なぜ?なぜ?」を繰り返してしまうとメンバーによっては詰められていると感じてしまうので、事前に「詰めているわけではないからね、誤解しないでね。正しく把握したいだけだから」と伝えるようにしています(笑)

——合理主義でありながら、“知りたい”という感情で動く一面も。

確かに、“難しいことを成し遂げたほうがかっこいい”といった感情もその一つかもしれませんね。

他にも、僕はチームのみんなでよく飲みにいくのですが、そういう場では同じ年代の人よりもだいぶ精神年齢が低いな…と思っています(笑)。

——最後に、今回、新執行役員に就任された意味をどのように捉えていますか?

ドメインや領域などを限定せず、垂直立ち上げにおける圧倒的な推進力とスピード、コミットメントだと理解しています。難易度が高く、規模の大きな新規事業というとゴール設定すら難しい状況になりがちですが、僕たちがGX事業で描いている成長曲線は、ゆるやかに伸びる線形ではなく指数関数的な線形です。

事業の成果を左右するいくつかの成長ドライバーを見極め、その掛け算で乗数的に成長曲線を描いていく。そして、この高い山を絶対に登りきれるメンバーなのだと期待されていると捉えていますね。ここから先もGX事業を急成長させることに全パワーを注ぎ、GOが掲げる「移動で人を幸せに。」の実現を目指していきたいと思います。

※掲載内容は2023年10月時点の情報です。

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