採用育成担当に聞く、「初の新卒採用」で見えたもの。GOが求める人材、選考で大切にしたい想い
タクシーアプリ『GO』(以下『GO』)をはじめモビリティ関連事業を展開するGO株式会社では、2023年卒から新卒採用をスタートさせ、2023年4月には新卒一期生として3名のメンバーが入社しました。(GO株式会社に待望の新卒一期生3名が入社しました!)
今回は、HR本部 人材開発部 部長の荒川(右)と、新卒採用・受け入れを担当する宮野(左)に、GOが新卒採用を始めた理由、求める人物像、採用で大事にしていることなどを聞きました。
志を未来に繋いでいくために、新卒採用を行う
——GOが「新卒採用」をはじめた経緯について教えてください。
荒川:GOは2020年に旧JapanTaxiとDeNAのオートモーティブ事業が事業統合して誕生しました。そして2023年には『GO』のダウンロード数は1500万を突破、サービス提供エリアは全国45都道府県にまで拡大。モビリティ産業をアップデートする企業としての地位を確立しつつあります。3年間でここまでの急成長をしていく中で、支えとなる人材の採用は事業成長に繋がる即戦力となる中途採用のみを行っていました。
ただ、GOが取り組む交通における社会課題は数年で解決できるものではなく、数十年かけて社会構造から変えていく話です。それゆえに、強く長く続いていく会社になっていくことが必要不可欠。社会課題解決への想いや魂を継承しつつ常に挑戦していく組織を作っていくために、新卒採用の取り組みをスタートしました。新卒で入社する方々には、未来のGOの成長を担う人材になっていっていただきたいという期待を込めています。
——初の新卒メンバー、受け入れにあたってはどのように向き合ったのでしょう。
荒川:私のキャリアでいうと前職で新卒採用に携わった経験がありましたが、改めて“今の候補者像”を正確に把握するところから始めました。その中で方針として見えてきたのは、「彼らの成長を阻害する過度なフォローはしないこと」です。
コロナの影響もあって、ここ数年で企業に入社した新卒社員の多くはリモートワークでのスタートです。隣にいる先輩に質問できたり、先輩の仕事に同行したり…という経験を積んでいないんですね。その環境を“ゆるい…”と感じて早期退職してしまうケースが少なくないと知りました。早く成長したい、そのためにハードな環境に身を置きたいと考えている候補者さんも一定数いる。この事実は強く意識していたところですね。
——しっかり要望はする、ということでしょうか。
荒川:そうですね。「背中を見てついてこい」だけだと違うし、「丁寧につきっきりで育てる」とも違う。つまづいたら放ったらかしではなくて、まずはチャレンジしてみて難しければアドバイスする、苦しければ手を差し伸べる…そういうことをセットにしながら、ハードな経験を積んでもらいたいと考えています。なぜならその方が自分の経験となり成長に繋がると考えているからです。
宮野:私は新卒採用と、新卒社員のオンボーディングプログラム、配属計画等を担当しているのですが、「優しさと良質な厳しさは両立する」ということを配属部署の社員との連携の中でも強く意識しています。例えば、配属後も新卒社員の上司やメンターと隔週で話し合いをしていて、そこで「すごく頑張ってます。いい感じで成長しています」という話が多ければ、「もう少し難易度の高いプロジェクトを任せられるチャンスはありますか?」と聞いてみたりしていますね。
新卒社員の成長スピードは目覚ましいので、つい先週まで厳しかったはずの業務にいつの間にか慣れてしまい、気がつけば居心地が良いルーチン業務になっていたりするかもしれない。個人的にも、GOという発展途上の企業の新卒一期生を選んだ彼らの気概にしっかり応えたいと思っていました。
——既存の社員も気合いが入りそうです。
宮野:業務において新卒メンバーとの関りが多い社員からは、未来のGOを担う人材を育てるというプレッシャーがありながらも、「新卒社員が真っ直ぐに頑張る姿を見て、こちらも身の引き締まる思い」「彼らの一生懸命さが、他のメンバーに良い影響を与えている」という声をもらっていて、私もとても嬉しかったです。
荒川:ファーストキャリアとしてGOを選んでくるということで固定概念に捉われていないからこそ、改めてGOの考えや思いを言語化して伝えていかなきゃいけない。そのプロセスがあって、“GOのカルチャーや風土づくり”が加速的に進んでいくと改めて感じたところです。
長い時間をかけ、「移動」の歴史を変えていく
——GOで活躍できる人材について、教えてください。
宮野:まず“内から湧き出るエネルギー”があることですね。このエネルギーの有無によって、自発性や積極性、行動力に大きな差がでてくると思っています。そして、そのエネルギーの方向性が、自己成長だけではなく、世の中が良くなる仕事をしたい、社会的な課題を解決したいといった「公の意識」に向いている方が合っていると思いますね。
荒川:GOが取り組む社会課題は壮大かつ難易度の高いもので、何かのサービスを1つローンチして解決するものではなくて、10年・20年かけて少しずつ地道に取り組んでいくような話です。だから、規模を問わずとにかく新規事業をバンバン打ち上げていきたい、…といった想いが強ければ強いほど、ミスマッチが生じてしまう可能性もあると思っています。
そして、その考え方は決して悪いことではなくて、気持ちもとてもよく分かります。けれど、そういったスケールの時間軸や裁量権を想定してGOに入ってしまうと、違和感を覚えてしまうと思うんです。
——すごく重要なポイントですね。
荒川:よく候補者さんと話をしているのは、GOが向き合う社会課題とGOの現在地についてです。これまで誰も解決できなかったから社会課題と呼ばれていて、僕らはそこに挑戦しようとしている。その昔、鉄道や銀行などのようにインフラと呼ばれる事業が立ち上がったときと同じ状況なんだと伝えています。
そう簡単に動かない問題が山積みの中で、誰か一人が頑張って新規事業を立ち上げたからといって解決する話ではない。多くのステークホルダーがいる中で、そのすべてを見ながら最適解を探していく。そういうスタンスに立てないと難しいのだと思います。
逆を言えば、そこにこそGOの魅力があると思います。大きな課題がある未整備なフィールドを、ゼロから作り上げていく。そういう仕事がたくさんある環境は、刺激的だと思いますね。出来上がったものを運用していくのではなく、自分の手で作り上げていく主体者になれる。社会が少しずつ変わっていく、「移動」の歴史が動いていく瞬間に立ち会える場所だと思います。
「いち候補者」としてだけではなく「個人」として尊重する
——新卒採用で大事にしていることは何ですか。
荒川:採用は、「お互いにマッチングするかをすり合わせる場」という考えを大事にしています。特に候補者さんと向き合う際は「一人の人間として誠実であること」は忘れてはいけないと思っていて。先ほどもお話しましたが候補者さんは我々大人のように固定概念に捉われていなく、また、とても吸収力が高いです。そういう柔らかい部分があることを理解した上でコミュニケーションを取っていくべきだと考えていますね。
興味を持ってもらうための情報発信をするのではなくて、彼らが大事にしている考え方を尊重していく。面談を通じて僕らがやることは、彼らの価値観や考えをしっかりと伺い、互いに理解を深め、それがGOとマッチングするのかを見ていく役割だと思っているんです。「こういうことを実現したいと話してくれたけど、もしかするとGOのこういう考えに近いのかもしれない」…そんな会話をよくしていますね。
宮野:個人を尊重するというのは、私も同じです。GOに興味を持ってくれる候補者さんの多くは積極的にインターンに参加していたり、友人と起業していたり、興味のある領域の学業に真摯に取り組んで成果を上げていたり…たしかに厳密な意味で社会人経験はないかもしれませんが、既にとても様々な経験や感性をお持ちの方だな、と感じる場面が多くあります。「リスペクトすべき個人」として、向き合いたいと日々思っていますね。
——最後に就職活動中の候補者さんにメッセージをお願いします。
宮野:この時期を上手に活用して、いろいろな社会人とできるだけ深く話をしてほしいと思います。だいたいの場合は過ぎてから気づくものなのですが、立場などのしがらみのない状態で、あらゆる会社の事業やサービス、人が働く上で持っている想いなどについて深く話を聞ける機会は、社会人になってしまうとそうそうありません。まだ見ぬ面白い世界がたくさんあるのだという前提を持って、ある種図々しく、たくさんの人の時間をもらってみてください。人の話の中に正解があるわけではないですが、対話の中で、自分の考えや志向性が見えてくるということもあるのではないでしょうか。
荒川:就職活動というのは期限が決まっているものなので、「今は自分のファーストキャリアを決めるための期間」「自分と思い切り向き合う時間なんだ」と楽しく捉えてもらいたいですね。そして、自分で考え抜いて決断をしたなら、その選択を正解にするために行動してほしいです。
宮野:それから、新卒入社は人生において重要なタイミングであることは間違いないですが、これで人生のすべてが決まるとは思ってほしくない。「ここで失敗をしたら立ち直れないんじゃないか」、「今後の可能性を狭めてしまうんじゃないか」などと不安になりすぎている方に会うと、私はそんな言葉をかけていますね。世の中の状況も自分の考え方も、今と変わっていくのは当たり前です。これからたくさん訪れる人生の決断の一つにすぎない、そう捉える気持ちも、半分くらい持っていていいのではないかなと思います。
そういう意味でも、GOの新卒採用では、「新卒の就職活動はこうやるものなんだ」という固定概念は外して、一人一人と真摯に対話をしていきたいと思っています。熱意と未来のある皆様と向き合いながら、我々も気を引き締める毎日です。興味を持ってくださった方、ぜひお話しさせてください!
※掲載内容は2023年9月時点の情報です。
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