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HR本部が推進する“互いに高め合うマネジメント研修”。その狙いと効果とは

統合以来タクシーアプリ『GO』を中心に法人向け管理サービス 『GO BUSINESS』、次世代AIドラレコサービス『DRIVE CHART』など多様な事業を展開してきたGO株式会社では、今後の成長を見据え、新たな人事施策に着手。部長/GMレイヤーを対象にマネジメント力強化を目的とした支援施策を開始しました。

今回は施策の企画・実施を担当したHR本部 本部長の小澤と人材開発部 HRBPの宮野に、その背景や目的、実施して得られた手応えについて話を聞きました。

小澤 邦敦おざわ くにあつ (HR本部 本部長)
大学院卒業後、ソニーに新卒入社。事業部人事、役員スタッフ、国際人事、欧州人事、物流会社・子会社の立ち上げの人事など幅広く担当。2022年、GOに入社。

宮野 美奈子みやの みなこ (HR本部 人材開発部 HRBP)
新卒で組織人事領域のコンサルティング企業に入社。組織・人材開発のソリューション営業経験、人事制度や理念構築などのコンサルティングなど幅広く経験。2022年、GOに入社。


「100年続く会社」に必要な組織づくり

HR本部 本部長の小澤

——今回、人事施策として“マネジメント力強化”を重視した理由は何ですか?

小澤:GOの成長に合わせた組織づくりが必要になってきたからです。

もともとGOは2020年に旧JapanTaxiとDeNAのオートモーティブ事業が統合して誕生した会社で、当時はまずはしっかり事業を確立させ、会社を存続させていくことが最重要事項でした。兎にも角にも会社継続のために、柱となる事業を立ち上げなければならなかった。組織づくりというよりは、個が持つ力を最大限に活かした運営を行っていたんです。

タクシーアプリ『GO』をリリースしてからは順調に成長を続け、2023年末にはダウンロード数1800万を突破し、サービス提供エリアは45都道府県にまで拡大。事業状況はよい方向へと動き出していました。

現在のGOの立ち位置として、社会インフラとなりつつあるサービスを継続的に提供し続けることが求められるようになり、あわせて強固な組織づくりに力を注ぐべきフェーズに入ってきたのだと捉えています。

まずは第一弾として、組織づくりにおいて結節点の機能を持つ「ミドルマネージャーのマネジメント力強化」に取り組みました。

——“組織づくりにおける要”という意味でしょうか?

小澤:おっしゃる通りですね。社員一人ひとり、すでに個のプレイヤーとして強い力を持っていることは分かっていたので、さらにマネジメント力を高めチームとしてパフォーマンスを発揮することができたら、会社としての力がさらに高まっていくと感じました。

その上で最初に課題と感じていたのは、マネジメントの定義がそれぞれ異なっていた点です。いろいろなメンバーと議論する中で、マネージャーとはどこまで何をする人なのか?どんな責任を持つ人なのか?…人によって違っていたんですね。

ですから、まずは一般的な マネジメントフレームを導入し、各部署の状況に即して活用することを目的にできればと考えていました。

参加者同士が学び合い高め合う、2つの研修を実施

HR本部 人材開発部 HRBPの宮野

——具体的な研修内容について教えてください。

宮野:2023年8月にグループマネージャー(GM)・部長を対象に「マネジメント研修(概要編)」を行い、10月に上司や部下だけでなく一緒に働く同僚など複数の関係者が評価を行う「360度サーベイ」、その結果をもとに11月には「マネジメント360度サーベイ フィードバックセッション」を実施しました。

「マネジメント研修(概要編)」の特徴は、部長・GMなど管理職の役割や期待について理解し、各自の中に落とし込むべく参加者全員で議論した点です。

この研修で大事にしていたのは、「マネジメントは正解がないからこそ、各人が最適解を模索する必要がある」という考えです。人事から“GMとはこういうものです”“これをやってください”と提示するのではなく、GOがさらに成長していくために必要なマネジメントは何か?自分たちらしいマネジメントのあり方は何か?これらについて考える。そして、そのためには、同レイヤー同士が互いに学び合い、高め合う関係性づくりが重要だと考えていました。

——「マネジメント360度サーベイ フィードバックセッション」についても教えてください。

小澤:この研修の目的は、サーベイの結果から自己分析を行い、自身のマネジメントについて自己認識と周囲の認識のギャップを知ることです。もっと簡単にいうと「あなたは周りからどう見えているか?」を知る時間ですね。

具体的には、定量設問の結果からスコアの高い/低い項目・自身と部下で認識の違いが大きい項目などを確認したり、定性コメントから「素敵だと思うところ/感謝していることの共通点」や「改善してほしいところ/さらに期待したいことの共通点」を見つけ出し、いくつかの要素にまとめていきました。

その後は、 参加したメンバー同士でお互いの課題についてディスカッションを実施。同じ役割を担うメンバーからアドバイスをもらうことで、新しい気づきや解決方法を見つける時間になりました。

360度サーベイフィードバックセッション実施の様子

——サーベイ結果を振り返り、自身で読み取ることが大事なんですね。

小澤:そうですね。360度サーベイを実施しても、なんとなく結果を眺めて終わりになるケースは少なくありません。サーベイ結果から何を読み取り、どう省みるのか?ここまで実施して、360度サーベイの効果が発揮されると捉えています。

だから大前提として、上司や部下、同僚からの本音の評価、良質なフィードバックがめちゃくちゃ重要。360度サーベイの「肝」と言ってもいいと思います。

——本当にそうですね。「本音の評価」「良質なフィードバック」はどうすれば得られるのでしょうか。

小澤:これが全てではありませんが、「遠慮をせず、勇気を持って伝えること」だと思います。多くの場合、上司に対してフィードバックをするので、“これは言いづらいな”“ここまで言うと失礼かな…”みたいな気持ちがよぎってしまう。けれど、この360度サーベイによって、上司が大きく変わるきっかけになるかもしれない。大げさかもしれませんが、自分が伝えた言葉で、上司の人生が変わる可能性もあるわけです。

一方で、伝えるときの配慮は必要だと思います。自分の想いをそのまま感情的に書くのではなく、その後につながるよう建設的に伝えることが大事なのではないでしょうか。「遠慮は無用、配慮は必須」という気持ちを忘れずにフィードバックしてもらいたいということを、サーベイ実施時にも伝えていました。

悩みを共有することで、同レイヤーとのつながりを深める機会に

——参加者の反応はいかがでしたか?

宮野:研修目的として、「GOにおけるマネジメントの役割期待について、 自身の中に落とし込む」「 同レイヤー同士、学びあい高めあう気運づくりの第一歩」 を掲げていたのですが、実施後のアンケートコメントからは、その成果を存分に感じることができました。

▼ 参加者から寄せられたコメント一部抜粋

・「各GMから直接グループの内情や悩みを聞けるいい機会になった。共感だけでなく、別視点での気づきを得ることができたので、自身の業務やチーム運営に活かしたい」

・「他部署のマネジャーが置かれている状況や課題について触れられ、自分自身も課題と打ち手を可視化でき、親睦も深められ一体感を感じられた良い機会だった」

・「360度評価を通して、客観的に自分の強みや課題を知る機会となった。結果を真摯に受け止め、改善に向けたアクションプランを作成したいと思う」

・「普段交流のない部門の方と話すきっかけができました。横のつながりによる相互理解ができた点が非常に満足です」

ポジティブな声が多数寄せられて、運営側である私たちもしっかりと手応えを感じることができ、とても嬉しかったですね。

——今後のマネジメント強化に向けた取り組みを教えてください。

小澤:今後も大事にしたいのは、人事が全て決めるのではなく、社員参加型で一緒に磨いていくスタンスです。正しいやり方は何か?はあまり気にせずに、いろいろトライしながら、GOにフィットする施策を作り上げていきたいと考えていますね。

加えて、2023年末にはValueのアップデートを行ったので、それに紐づいたGOらしいマネジメントとは、という定義も考案中です。マネジメントのみなさんにも研修に参加してみて気づいたこと、感じたことがあったら、どんどん意見してもらえたら嬉しいです。そこからまた新たな施策を生み出していけたら良いなと思います。

宮野:あとは単発にせず、継続していくことを約束したいです。マネジメントの概要を説明したからといって、組織が強くなるわけではないですから。あくまで今回の取り組みは第一弾。じっくり向き合っていくことで、少しずつ“マネジメントの文化”が作られていくと思います。

※掲載内容は2024年1月時点の情報です。

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