これからのGOに必要なのは、多様な価値観を活かす組織づくり。「障がい者雇用」について聞いた
GO株式会社では「障がい者雇用」を強化するべく、2022年12月から採用プロジェクトを立ち上げました。2023年9月時点で入社者は8名。入社したメンバーは各部門でそれぞれの強みを発揮しながら成果をあげています。
「障がい者雇用」のプロジェクトに携わったメンバーは4名。東京都主催の研修を受けたり、他社から事例を学んだり…試行錯誤を繰り返しながら、“GOに最適な体制づくり”を実践してきました。具体的な取り組みや手応えについて、プロジェクトメンバーであるHR本部 本部長の小澤(中央左)と、採用担当の加藤(中央右)、受け入れ担当の坂本(右)、渡部(左)に話を聞きました。
自分の当たり前が、他人の当たり前と思わない
——「障がい者雇用」に取り組まれた経緯について教えてください。
小澤:タクシーアプリ『GO』をはじめ、次世代AIドラレコサービス『DRIVE CHART』など公共性の高いサービスを展開するGOが掲げているのは、“100年続く会社づくり”です。社会インフラに深く関わる事業だからこそ、会社の継続性が求められていると考えています。
そして、そういった組織は、あらゆる価値観を持った人たちが活躍できる多様なフィールドでないと成り立たない。ある共通の価値観を持った人たちがパフォーマンスするフェーズを経て、これからはより多様な価値観を持った人たちを受け入れ、その方たちが成果を出せる会社になっていく。今回の「障がい者雇用」は、会社を強くしていくために必要な取り組みだと捉え、2022年の12月にスタートしました。
——「障がい者雇用」において、大事にした考えはありますか?
小澤:僕が一番大事にしていたのは「自分の当たり前が、他人の当たり前と思わない」という思想です。自分の当たり前は、あくまで自分の中での話にすぎない。ここをきちんと理解していなければ、価値観の異なる人たちと一緒に働くのは難しいと考えています。
ですから、今回の取り組みでは、ただ単に法定雇用率を達成するための施策を行うのではなく、この考えを組織にインストールするための施策を行っていきたいと考えていて、メンバーに対しても最初のタイミングで同様の話を伝えていきました。
——みなさんはどのように受け止めたのでしょうか。
渡部:全く違和感はありませんでしたね。私はこれまで10年ほど人事に携わってきていて、「それぞれの個性を活かせるような仕事をしていきたい」と思っていたので、使う言葉は違えど、目指しているところは同じだと感じました。
坂本:私は最近人事に異動したのですが、もともと仕事をしている中で「人を活かす」というのが自身のテーマにありました。いま活躍できずにいたとしても、少し環境が変わるだけで見違えるような成果を出すことがある。組織や環境が整うと、個人の能力が最大限引き出される。そんなことが本当にあるんだ…と、自身の体験を含む様々な人たちとの関わりの中で感じていました。
採用も受け入れも、個性に合わせたコミュニケーションを大事に
——「障がい者雇用」への具体的な取り組みについて教えてください。
加藤:私が担当していたのは採用の部分になりますが、会社としても初めての取り組みだったので、正直分からないことばかり。実際の面接では、お持ちの障がいについてどのぐらい深い話をしていいのか、現場の担当者が知りたいことはどんなことなのか…本当に手探りで。エージェントにも協力いただきながら、候補者と面接官の間に立って面接がスムーズに進むよう調整を進めていきました。
——そうだったんですね。面接を行う中で、工夫されたところはありますか?
加藤:回数を重ねていく中で、こういうところに気を遣うと安心して面接に臨んでもらえるというポイントが分かってきました。例えば、「面接の服装」について。服装は「自由」とお伝えしたところ、抽象的な表現だったため普段着なのかスーツなのか迷われてしまい、面接以外のところでエネルギーを使わせてしまっていることを知りました。そのため面接日をお知らせするメールには「普段着で」と詳細に記載するようにしました。
他には、オンライン面接のフォローです。PC操作が上手くいかず、時間どおりに入れない経験は誰もがあると思うのですが、けっこう焦りますよね。応募者によっては遅れてしまったことで、その後の面接中もずっと焦ってしまうとお聞きして。その場合は、開始タイミングで候補者と面接官の間に入り、互いに連絡を取りながらサポートしていきました。面接官から「ゆっくりでいいですよ」と声をかけてくれることも多く、応募者の方はとても安心していました。
——入社後の受け入れについての取り組みも教えてください。
渡部:受け入れについては、東京都が開催している研修を受け、基本的な知識を入れていくところから始めました。他社の事例についても多く学んだので、その中からGOだったらこういう形が最適そう、と坂本と相談しながら構築していった流れです。今では“GOのこだわり”と呼べるものが作られてきたと思いますね。
——“GOのこだわり”とは、どのようなものでしょう?
坂本:2つあって、1つは「各部門での受け入れ」です。「障がい者雇用」において障がい者だけを集めた部門を作ったり、子会社でのみ採用を行ったりする企業が少なくない中で、GOは各部門に入ってもらい、そこで部門の方々と一緒に仕事をすることを前提にしました。
一箇所にまとめるような働き方では他の社員との接点が持てませんし、本質的に受け入れてるとは言えないと考えています。もちろん企業規模が大きくなる中で変化する可能性はありますが、現時点でこだわって追究しているところです。
2つ目は「受け入れのソーシャルサポート体制づくり」です。これは気軽に相談できるよう複数の窓口を設ける体制のこと。相談窓口は、「職場の同僚・上司」だけでなく、私や渡部が担う「職場サポーター」、外部機関として「就労支援所・ハローワーク」などが該当します。
同じ部門の人には話しづらいんだけど、別部門の人にならちょっと言いやすい…そんなイメージですね。受け入れのタイミングで、「働いていく中で、いろいろな悩みがでてくると思いますので、こういうときはこの人に相談を、職場の人に言いにくいなら外部機関を…」と具体的にお伝えすることで、相談の心理的ハードルを下げています。
それから、受け入れ側に対しても同様の体制を用意していて、コミュニケーションの取り方や指示の出し方など、困ったことがあれば気軽に相談することが可能です。双方にとって不安を溜め込んでしまうことがない仕組みを導入しています。
渡部:実際、入社後に現場の上司からも「どうすればこの方がここで気持ちよく働けるか、成果につなげていけるかを一緒に考えたい」といった前向きな相談を受けたことがありました。社員に寄り添って対話をしていく姿勢を持った周囲の雰囲気や環境が作れていると思いますね。
“人の成長の可能性”を誰よりも信じるチームでありたい
——「障がい者雇用」に取り組んでの感想と手応えについて教えてください。
渡部:私はプロジェクトが始まったばかりの頃は、分からないことも多く不安がありましたが、実際にお会いして話をしていくうちに「なんだ、そんなに難しい話じゃないんだ…」と学びました。体調が悪いのかな?と感じたら、「大丈夫?どこか具合悪い?」と聞けばいいし、何か困っていれば「手伝おうか?」と声をかければいい。シンプルにそれだけなんですよね。
加藤:そうですよね、何も特別なことじゃない。コミュニケーションの方法も、小澤さんに報告するときはSlackのほうがいいなとか、渡部さんと話をするときはMTGのほうがスムーズに進みそうだなとか、それと同じ。普段のやり取りと全く一緒なのだと思います。
坂本:サポートする方々とのコミュニケーションの中でこちらが教わることも非常に多く、新たな視点を学ばせていただくこともたくさんあります。また思わぬシーンで大きく活躍されていたり、気持ちの変化があったり…。
人の成長の幅は周りが決めるものじゃないと感じましたし、改めて、私たちは「人の成長や活躍の可能性を誰よりも信じるチーム」でありたいと強く思いました。
小澤:プロジェクトを振り返ってみると、まずは「障がい者雇用」に取り組むと決めてからわずか3ヶ月程で、採用・受け入れ体制を構築し、実際に8名の方が入社できたことに驚いています。同じ方向を見て、メンバー同士で連携しながら、プロジェクトを進められたことがすごく楽しかったですね。
そして、「自分の当たり前が、他人の当たり前と思わない」の考えを組織にインストールするという目的でいうと、まだまだ道半ばです。5年、10年とこの活動を継続することで、少しずつ組織に定着していくものだと捉えています。組織の文化、風土を作るというのは、それぐらい長い時間がかかる話ですし、大変なことも多い。だからこそ丁寧に、諦めることなく向き合っていきたいと考えていますね。
※掲載内容は2023年9月時点の情報です。
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