新執行役員 平松 瞳の信念|階層にとらわれない。“全員参加型”の組織をつくる
GO株式会社では、さらなる事業と組織の成長・拡大に向けた経営体制の強化を目的とし、2023年9月1日付でCC本部 本部長 平松 瞳が執行役員に就任。「事業に関わるみんながいきいきと輝いていたら、その事業は必ず成功すると本気で思っているんです」と語る平松に、これまでのキャリア、大事にしている想い、これから実現したいことについて聞きました。
意固地にならず、周りの勧めをそのまま受け入れてきた
——平松さんのこれまでのキャリアについて教えてください。
2008年に新卒でDeNAに入社後、広告営業、企画、マーケティング、コーポレートブランディング、横浜DeNAベイスターズの立ち上げなどを経験して、2017年にGOの前身であるオートモーティブ事業部に異動しました。そこからはタクシーアプリの立ち上げを通じて、渉外、事業推進、ヘルプデスクに携わり、事業統合後はGO株式会社に転籍。渉外、マーケティング責任者を経て、今に至ります。
一度も転職をしたことはないのですが、社内での異動回数は驚くほど多いです。以前、これまでの経歴を書きだしてみたら、DeNAとGOの15年間で14部署を経験していました(笑)。
——もともとモビリティーの領域に興味があったわけではないんですか?
私は三重県出身で鈴鹿サーキットが近くにあって幼い頃から車が好きでした。学生時代は情報工学を学び、その中で、日本の高い技術力に触れる機会が多くあったんですよね。工場を見学したり、エンジニアや研究者の方と話をしたりすればするほどに、その素晴らしい技術力に感動していました。
一方で、日本よりも海外製品に注目が集まっている時代の流れがあって「日本は高い技術を持っているのに、その技術をアピールしたり、広めたりできていない…」と悔しさを感じていました。卒業後はそういう仕事に携わりたいと考えていて、選考を受けていたDeNAの面接では「技術のあり方を変え、新しいものを生み出し、広めていきたい」という話をしたんです。そうしたら、DeNAの創業メンバーの一人から「DeNAでやったらいい」と言われたんです。当時、DeNAはIT企業でしたが「IT企業だから、DeNAではやっていない事業だからといって、なぜできないと思うのか。やりたいと思ったことをやればいい」と言われて。“かっこいい!”と感動し、入社を決めました。
——でも、スタートは広告営業から。違和感はありませんでしたか?
そう、最初に配属されたのはバリバリの広告営業です(笑)。
でも、違和感は全くありませんでした。仕事のプロが、私が一番成長できるであろう場所を選んで配属してくれたわけで、まずそのことにありがたいと感じていたので「営業なんだ!」とすごくポジティブに受け入れていました。
振り返ってみると、私の中に、“絶対この仕事じゃないと嫌”というこだわりがないとも言えるのかもと思うんですよね。自分が意固地になるよりも、周りからの勧めやアドバイスの方がよっぽど意味があると思っていて。「平松、やってみない?」と勧められた道を「ありがとうございます!やります!」とそのまま素直に受け入れてきた。結果として、冒頭でお伝えした“いろいろな経験”につながっていると思います。
仕事は「互いのリスペクト」がなければ成り立たない
——平松さんは、仕事のどのような場面で“喜び”を感じますか。
仲間が喜んでいる姿を見るのが一番嬉しいですね。メンバーがスキルアップしたり、夢中になって仕事をしていたり…そういうことが私にとって“エネルギー”だなと思うんです。メンバーはもちろん、パートナーやユーザー、事業に関わる全ての人を笑顔にできる仕事がしたいと常に考えています。
そして同時に、そのメンバーが頑張っていること、一生懸命取り組んでいることを、しっかり外に伝えていきたいという気持ちが強くあります。仕事の多くは裏方ばかりだけど、それがなければ決して事業は成功しない。あなたのその頑張りがあるからこのサービスが成り立っているのだと、きちんと伝えたいと思うんです。
ですから、あまり自分自身が表にでることには興味がありません。役職が何だとか、部下が何人いるとか、正直どうでもいい話だなと思っていて。自分のタイトルがいくつ増えたとしても何の価値もないと思うんです。
——そうなんですね。
一方で、チームのメンバーを尊重しない発言や行動はものすごく許せない。個人を認めず、役職が上だから“これに従え”と押し付けるのは違うと思うんですよね。
この考えは、パートナーさんに対しても同じです。お金を払っている立場だからと無理な要求をしたり、上から発言をしたり…主従関係をつけて仕事を進めていくのは絶対にやめてほしいと、メンバーにも厳しく伝えている話です。
——上下関係は作らず互いに尊重し合う、と。
そうですね。仕事は一人でできるものではありませんから、お互いのリスペクトがなければ成り立たない。これはずっと大事にしている考え方です。
私が見ているチームではPM制をとっていて、“やりたい”というのなら、仕事を丸ごと任せます。部長だから、グループマネージャーだから、正社員だから、派遣社員だからとか関係ない。それぞれがプロジェクトのリーダーだよ、という役割の渡し方をしていますね。
だって、“やりたい”という気持ちって、すごい前向きなことじゃないですか。こういう施策をやりたいんです、こういう改善をやってみたいんです、と言われたら基本的には全部「いいね!」と返答します。本人が想定していないリスクがないかを考えてアドバイスするぐらいで、それ以外のことは口出ししません。
——「成果」はどう見ていますか?
そこでいうと、自分で“やりたい”と言ったことは、成果も一緒に考えられているんですよ。意志が伴わない仕事になった瞬間に「どこまでやればいいですか?」「ここまで成果出せばいいですよね」と低いハードルを設定してしまう。けれど本気でやりたいと思ったことに対しては、期待以上に成果を出してみせるという気持ちが強いから、超えられないことがないのだと思っています。
もし仮に失敗したとしても、“やりたい”といった仕事に対してなら、しっかり振り返りができる。なぜうまくいかなかったのか、その要因が見つかるまで掘り下げられるので、次は絶対に上手く、と自信が持てる。これはすごい成長だと思うんですよね。
誰かに指示されて動くときと、自分がやるべきだと動くとき。結果が同じだったとしても、その向き合い方は全く違う。自分の経験として得られるものには大きな差があると思っていて。メンバーには、次につながる経験が積める環境を用意したいと思うんです。
組織の枠を超えていく。そこを応援していくことが私の役割
——「CC本部」の役割についてお聞かせください。
CC本部は、コーポレート&カスタマーコミュニケーション本部の略称で、「広報部」とユーザーからの問い合わせ全般に対応する「CX部」で構成されています。GOに関わるステークホルダーに対して、コミュニケーションを取っていく役割を担っています。
今、CC本部では“攻めと守りと挑戦”というコンセプトで新しいCC本部を作ろうとしています。
——“攻めと守りと挑戦”とは?
例えば、CX部だと、ユーザー対応が最も重要な業務となりますが、ユーザー対応というとメンバーの多くは“守り”に意識が向きがちで、問い合わせに対して徹底した対応を行う、ユーザーの不満や困りごとを解決できる体制を作ることを重視してしまう。もちろんそれも重要ですが、目指すべきはその一歩前。不満や困りごとが起きる前に解決する方法を考えたいと思っているんです。これが“攻め”です。
今回、新たに始めた取り組みの一つが、タクシーアプリ『GO』の使い方が分からないと困っているお客様に対するアウトバウンドコールです。お客様からの使い方に関する問い合わせが一定数あったので、私たちから連絡をして、時間をかけて操作方法をレクチャーしています。
その中で大事にしているのは、“一度教えて満足しないこと”。レクチャー後、本当に使えているかまでを追っていき、もしできていなければ、改めて電話をする。すると「ここはできたんだけど、次はこういうところで止まっちゃった…」という話が出てくる。この取り組みによって、アプリ使用率向上につながりました。
——プロダクト改善のヒントも見えてきますね。
そうなんです。ユーザーの声はサービスにとって一番の栄養です。どこで不便さを感じているのかが拾えるので、それをプロダクトで解決するというサイクルが生まれていますね。
最後の“挑戦”は、「CXの役割を超えていく挑戦」という意味です。例えば、高齢者の方に『GO』の使い方を電話で説明していますが、アプリ画面を共有しているわけではないので、スムーズに伝わらないことが多いんですね。そこで、自治体と協力して『GO』の使い方講座を開催し、その講師をカスタマーサポートのメンバーに任せています。
もちろん、最初は「人前で話したことがないので…」「上手く説明できるか分からない…」と不安そうにしているメンバーもいますが、私は「電話であれだけ素晴らしい対応ができているあなたなら、絶対にできる!大丈夫!」と声をかけています。
——新しい一歩を踏み出せるよう、背中を押すイメージでしょうか。
そうですね。個人が個人の枠を超えていく、そこを応援していくのが私の役割だと思っています。その経験が、“自分もここまでできるかもしれない”という自信になるし、“新しいこんなことをやってみたい”という意欲につながっていくと思うんです。全員参加型の組織で、最終的に決めていた枠組みって何だっけ?ぐらいになったらいいと思っています(笑)。
みんながどんどん枠を超えて成長していく姿を見るのが楽しいですし、嬉しい。しかも、それは会社にとっても最高なことですよね。事業の成長をしっかりと支えてくれるメンバーが増えるわけですから。事業に関わる人たちがいきいきと輝いていたら、その事業は必ず成功すると、私は本気で思っています。
そして、今回執行役員として私に期待されていることは、ここにあると理解しています。GOは事業統合を経て数年が経ち、多くのメンバー、ユーザー、パートナーが仲間となってくれています。しっかりと恩返しできるよう、GOに関わる全ての人の幸せを作っていく、そんな仕事を思い切りしていきたいですね。
※掲載内容は2023年10月時点の情報です。
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